【パラサイト半地下の家族】ネタバレ感想・考察!インディアン、石、匂い…映画のアレコレを考察しました

「パラサイト 半地下の家族」★4.5(5点満点)

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(引用: https://eiga.com/movie/91131/photo/

こんにちは!もっちゃんです!

今回は話題の映画「パラサイト」を鑑賞してきたので、感想&考察をまとめたいと思います。

 

公開してすぐに見に行ったんですが、ほぼ満席に近くお客さんが入っていてビックリしました!
そして、見終わった後はいろんな意味で「とんでもねぇ映画を見ちまった…」と放心状態になるほど素晴らしい映画でした。

 

今回はそんな韓国映画「パラサイト」の感想や考察をまとめていきます。記事内ではガッツリネタバレしているので、まだ見ていない人はご注意を。

 

「パラサイト 半地下の家族」あらすじ

www.youtube.com

 

殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」の監督ポン・ジュノと主演ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、2019年・第72回カンヌ国際映画祭韓国映画初となるパルムドールを受賞した作品。

 

キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。

 

そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。

 

(抜粋:パラサイト 半地下の家族 : 作品情報 - 映画.com)

「パラサイト」監督・キャスト

監督ポン・ジュノ 

 

キャスト

キム・ギテク…ソン・ガンホ

キム・ギウ…チェ・ウシク

キム・ギジョン…パク・ソダム

チュンスク…チャン・ヘジン

パク・ドンイク…イ・ソンギュン

ヨンギョ…チョ・ヨジョン

 

ポン・ジュノ監督&ソン・ガンホの名コンビ!ソン・ガンホの迫真の演技は必見です。

「パラサイト」ネタバレ感想&考察

韓国映画で初めてのパルムドールを受賞し、アカデミー賞作品賞にもノミネートされている「パラサイト」。

全世界でヒットし、なんと既にドラマ化まで決まっています。しかも、制作総監督は「バイス」のアダム・マッケイ!

eiga.com

社会派作品で知られるアダム・マッケイがどのように「パラサイト」をドラマにするのか…。気になりますね。

 

さて、「パラサイト」のテーマは、ずばり貧困と格差

万引き家族」に引き続き、貧困をテーマにした映画がパルムドールで最高賞を受賞しているとは…。うーん。現代の闇。

 

ただし、貧困と格差という重々しいテーマながらも、映画自体はエンターテイメント性が高く、劇場でもクスクスと笑い声が聞こえる場面が多々ありました。

 

確かに前半部分は富裕層の家に貧困層が寄生(パラサイト)していく過程がテンポよく描かれ、スパイ映画っぽいんですよね。

パク家の奥さんが困った顔で「どうしましょう!?」と言うところとか、本当マヌケなかんじ(笑)家政婦さんのゴミ箱のくだりは、みんな笑ってましたね(笑)

 

ただ、後半にいくにつれて物語の雰囲気が重々しくなってくるのですが…そのカギとなるのが、ある家族の存在

彼らが登場してから物語が急速に展開していき、誇張なしで予想だにしない展開が待ち受けています。

 

そこで炙り出されるのが格差と貧困。

韓国は超学歴主義社会ですが、その中でも成功できるのはほんの一握り。

女性の合計特殊出生率は1を割り込み0.98となり、世界最低水準の数値まで落ち込んでいます。

「貯金ないまま老後」韓国、広がる格差 受験競争や高齢者の貧困…浮かぶ社会のひずみ|【西日本新聞ニュース】

上の記事で

 

国内総生産(GDP)は成長しているそうだが、私たちには関係のないことだ。格差が広がり、真ん中の層が薄くなった」鄭さんの言う「真ん中」とは中間層のことだ。

という言葉が出てきますが、「パラサイト」はまさに”失われた中間層”を描いてい
る作品です。

何もかも奪われ、必死に今日を生きる人々。

果たして彼らのことを単なる「自己責任」の一言で片づけて、知らない顔をするのが正解なのか。今の現代社会に一石を投じる、とんでもない映画でした。

 

「貧困なんてない」という人たちへの警鐘

※ここから物語の重要なネタバレがガンガン出ます。

最初はキム家が侵略にしたものの、裕福なパク家に苛立っていく…って内容かと思いきや、なんとパク家の地下には、事業に失敗し借金取りから逃げている元家政婦の夫が住んでいて、さらには元家政婦と夫 vs キム家族の争いが起こるという驚きの展開に。

 

「家」という小さな舞台をフルに活用したカメラワークや物語の運び方も映画ならではの面白さ。

そして目には見えない社会の格差を、高台にあるパク家と半地下や地下の部屋など物理的な「上と下」の位置関係から表現していくのも見事。

 

元家政婦が去った日も坂を下る(=貧困に戻る)し、大雨の日に下って行けば行くほど悲惨な状態になっていくのも凄いわかりやすいですよね。

 

ここで描かれるのは単純な貧富の差だけでなく、社会的な弱者を救おうとしない、今の社会の在り方への警鐘ではないのでしょうか。

 

この文章を書いていて、ふと思い出したことがあります。

 

万引き家族」を地元の映画館で鑑賞した際、CMでも「感動作!」とバンバン宣伝していたからか、その映画館にしては珍しく結構な人が入っていました。

しかし、物語の中盤あたりになってくると、観客の何人かは「思ってたのと違うな~」となったのか、堂々とスマホはいじり出すし、隣の人とそこそこな音量で話し始めたんです。

 

その時は単純に「マナーの悪い客多いな」と思ったんですが、後々「万引き家族」の関連記事で「こんな生活している人、日本でいないでしょ」という感想を見て、なんとなく彼らの行動が腑に落ちました。

 

たぶん、あのとき堂々とスマホをいじったりしていた彼らは、きっとパク家と一緒で、最下層にいるような貧困層の存在なんて気にかけたことさえないのでしょう。

 

ここで、昨年来日したフランシスコ教皇のスピーチについての記事を残しておきます。

貧困や格差について、彼らしい言葉で伝えています。

blogos.com

スピーチの冒頭で、彼はこう話しています。

 

人やコミュニティ、そして全社会が、表面上は発展していたとしても、内側では、疲弊し、本物の命や生きる力を失い、中身の空っぽな人形のようになっている。(中略)

まるでゾンビのようで、彼らの心臓は鼓動を止めている。なぜならそれは、誰かと人生を祝い合うことができないからだ。

「パラサイト」や彼の言葉を、ゾンビ化した日本でどう受け止めるのか。私たちの人間性が試されているように思います。

映画内のアレコレを考察

映画内で「どういうこと?」と思うことが多々ありましたので、今回はこの辺を細かく考察していこうと思います。箇条書きですが、あしからず。

キム一家の匂い

湿っぽい半地下で暮らしている人特有の匂い。ちなみに、韓国の人はあーあの匂いねと分かるそうです。

 

その匂いをパク社長たちは「あの匂い無理w」と一線を引いている。

性格が良くても、仕事が出来ても、半地下から抜け出さないと解決しようのない匂いを理由に差別される。その屈辱と怒りが後半の事件へと徐々につながる。

 

なぜインディアン?

・「弱者は切り捨てていく」という新自由主義思想の反映では。パク家はその流れの勝者になり、キム一家は敗者となった。

 

・ITの発展により、キム家たちが勤めていたような多くの中小企業が軒並み廃業している⇒経済格差と貧困の始まり。

 

・もともと国の経済を支えてきた「中小企業」と国をつくり上げてきたネイティブアメリカンたちを重ねているのでは。何もかも奪われ、生活を余儀なぐされた人々の象徴。

 

・あるいは、表面的な部分(服装など)だけを愛し、その裏にある悲惨な文化を鑑みない、社長の薄っぺらさを表しているのでは。

自分の利益のためであれば、先住民がいようと中小企業が潰れようとどうでもいいと。

 

あの石は何なの?

・逃れられない「貧困」を表現しているのでは。彼らに重くのしかかる貧困の連鎖。

 

・その石(貧困)にキム家の息子が命を落としかけ、最終的には事態をより悪化させてしまう→キム家の未来も明るくはないと示唆。

  

パク家の地下の住人(元家政婦の夫)

・自分が貧困に堕ちた社会構造に疑問を抱かず、富裕層を「リスペクト!」するだけ。

貧困層は社会に怒りを覚えるのが疲れ、蜜を吸い続ける上級階級の人々にすがるしかない。こんな世界が本当に幸せなのか?

 

・パーティー会場で包丁を持った彼に、誰も気づかないのが印象的。会場のセレブたちにとって、彼の存在など見えていないし、見ようともしていない

そして、彼のバナナを食べ方が凄い。何を見てあの演技をしてるんだろう…。

 

ラストシーンについて

パク社長をさしたキム家の父親が、パク社長の地下に逃げ、暮らし始める。

その後、それに気づいた息子が社会的に成功し、パク家の豪邸を買い、父親が地下から出てくる映像が流れる。

しかし、ラストカットは冒頭の半地下の家。一番最初のカットと同じ。

 

つまり、彼らは貧困の連鎖からは抜けられない(ループ)を意味している。

彼はきっと、あの家を買うこともできず、ずっとあの半地下で暮らすのでは。

 

これは「努力が足りない」とか「やればできる」という問題ではない。

そもそも彼らは挑戦することも出来ない最底辺の貧困層であり、個人の問題ではなく社会的構造の問題。

 


ざっと思いついたのはこの辺でしょうか。いろんなシークエンスが隠された映画なので、まだまだ考察しがいがありますね。 

そして、今まで書いた映画レビューで一番感想をまとめるのが難しい映画でした。

もう4000字も書いてますしね…。

 

こんなに奥深くて多層的な映画、そうそう見れるもんじゃないです。

社会派で、エンタメで、コメディで、サスペンスで…。いろんなジャンルの映画を2時間で見ているような気分でした(笑)

 

既に今年のトップ3になりそうな映画です。こういう映画が日本でも作られたらいいですね。
 

【ジョジョ・ラビット】ネタバレ感想・考察まとめ!ジョジョにとってヒトラーとは何だったのか?

ジョジョ・ラビット」個人的評価★4.0点(5点満点)

こんにちは!もっちゃんです!

 

映画「ジョジョ・ラビット」見てきたので、感想や考察をまとめていこうと思います!

トロント国際映画祭で観客賞を受賞してから、ずーーーーと気になっていた作品でしたので、ようやく見れたー!って感じです。

 

ナチスドイツという重いテーマをギャグたっぷりに描き、見終わった後は何だか胸がジーーーンと温かくなる不思議な映画でした。

 

それでは、「ジョジョ・ラビット」の感想や考察をまとめていきます!ネタバレありですので、ご注意を。

 

ジョジョ・ラビット」あらすじ

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〜あらすじ〜 

物語の舞台は、第二次世界大戦下のドイツ。10歳の少年ジョジョは、空想上の友達であるアドルフ・ヒトラーの助けを借りて、青少年集団ヒトラーユーゲントの立派な兵士になろうと奮闘していた。

 

しかし、心優しいジョジョは、訓練でウサギを殺すことができず、教官から〈ジョジョ・ラビット〉という不名誉なあだ名をつけられる。

 

そんな中、ジョジョは母親と二人で暮らす家の隠し部屋に、ユダヤ人少女エルサが匿われていることに気づく。

やがてジョジョは皮肉屋のアドルフの目を気にしながらも、強く勇敢なエルサに惹かれていく──。

引用: INTRODUCTION | 映画『ジョジョ・ラビット』公式サイト

 

 舞台は第二次世界対戦で、しかもナチスドイツ。とはいえ、今までの戦争映画とは違い、この作品はコメディなので子どもも大人もゲラゲラ笑える作品になっています。

戦争映画ですが残酷な描写はあまりなく、あらゆる年代が楽しめる作品でしたよ!

 

ジョジョ・ラビット」監督・キャスト

監督タイカ・ワイティティ

 

MCUの「マイティソー・バトルロワイヤル」で一躍有名になったニュージーランド出身の監督です。今までのソーシリーズから一転し、全編コメディ満載の一作に仕上げ、世界的に大ヒット。

 

ジョジョ・ラビット」では、ジョジョの空想上の友人アドルフ・ヒトラーも演じています。才能豊かすぎる!

キャスト

ヨハネス・ジョジョ・ベッツラー…ローマン・グリフィン・デイヴィス

●エルサ・コール…トーマシン・マッケンジー

●ロージー・ベッツラー…スカーレット・ヨハンソン

アドルフ・ヒトラータイカ・ワイティティ

●クレンツェンドルフ大尉…サム・ロックウェル

 

豪華キャストが勢揃い!各キャストが本当に良い演技を見せてくれました。

 

それと、サムロック・ウィル演じるキャプテンKの部下を演じてた俳優「アルフィー・アレン」。

ja.wikipedia.org

 

鑑賞中「この俳優さんめっちゃ見たことあるな〜」とモヤモヤしてたんですが、この人「ジョン・ウィック」でジョンに追いかけ回されるドラ息子を演じてた人ですね!!

だいぶ大人っぽい雰囲気になってて全然気が付きませんでした!!

ちなみに主演の男の子は今作が俳優デビュー作!初めてとは思えないほど素晴らしい演技でした!

 

ジョジョ・ラビット」ネタバレ感想・考察

コメディで描かれるナチスドイツの滑稽さ

トロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞した「ジョジョ・ラビット」。第二次世界大戦ナチスドイツをユーモアたっぷりに描いた一風変わった戦争映画です。

 

もう初っ端からシニカルなギャグがポンポンと放り込まれ、「あれ?これ第二次世界大戦の話だよね?」と忘れてしまうほどにユーモラス。

 

ビートルズの「I Want To Hold Your Hand」にのせ、人々がヒトラーに熱狂しているOP映像には「ふざけすぎでは?(笑)」とこっちがハラハラしちゃいました(笑)。

 

そして、タイカ・ワイティティ監督自身が演じるジョジョの空想上のヒトラーは皮肉が効きすぎていて、思わず苦笑いしてしまう場面も。

 

「心配するな。私だって「お前はこの国を破壊させる!」だの何だの沢山言われた」

「ドイツ人は!マインドコントールなんてされない!されてはいけない!」

 

などなど、それをヒトラーに言わせるの!?と驚いてしまうセリフが盛りだくさん。

 

とはいえ、一歩下がって考えてみれば「あの時代はこんなアホな奴に酔狂していた」という物凄いシニカルな構造になっているんですよね。

作中では「ユダヤ人は悪魔と交尾する」だの「ユダヤ人は頭に角がある」だのバカバカしい”ユダヤ人像”が出てきますが、その歪んだ偏見により何人のユダヤ人が収容所に送られ、その生涯を終えたのか

 

クスクスと笑いながらも、ふとそういった事実を思い出し、心にずしっと重しのようなものを置かれた気分になりました。

 

誰かの「ヘイト」が国全体に広がり、取り返しがつかない状態になったのは、ユダヤ人迫害だけではありません。

ルワンダの大虐殺もラジオから流れてきたヘイトにより引き起こされていますし、

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今の日本だって平気でヘイトが行われていていますよね。

headlines.yahoo.co.jp

 

ウィティティ監督は母親がユダヤ人で、偏見やマイノリティに苦しんだこともあるそう。そんな彼だからこそ、ヘイトで満ちた今の時代に危機感を覚え、この作品を作りあげたのでしょう。

 

戦争を知らない私たち世代が、どう戦争を考え、伝えていくのか。

ワイティティ監督は、戦争の滑稽さと残忍さを新しい形で描き出してくれました。いやー監督、演技もして監督もして本当に天才ですわ。

 

ジョジョにとってヒトラーとは何だったのか?

この物語のキーパンソンは何と言っても空想上のヒトラーの存在

ちょっぴり内気で心優しい少年ジョジョは、なにか困ったことがあれば、何でも空想上のヒトラーに相談し、アドバイスをもらいます。

 

このヒトラーは、あくまでジョジョの妄想であり、本当のヒトラーじゃありません。

ジョジョにとってヒトラーは「憧れのヒーロー」であり、言ってみれば赤レンジャーや仮面ライダーみたいなもんなんです。

 

なんでヒトラーに憧れを?と思うかもしれませんが、この時代はジョジョに限らずだれもが自分で答えを出すことが出来ていなかったわけで。

 

おじさんもおばさんもヒトラーに熱狂し、彼に国の未来を託していたんですジョジョの家には戦争により父親がいなかったため、自分が頼れる「誰か」を潜在的に求めていたのではないでしょうか。

 

しかし、ジョジョは母親が匿っていたユダヤ人少女エルザとの交流を通して「ユダヤ人」と一括りにはせず、目の前の「一人の少女」を愛するようになります。

「悪魔って言われていたけど…」と葛藤しながらも、自分自身で考え、ジョジョはエルザを信じることを決めるのです。

最後はヒトラーのアドバイスを無視し、さらにはヒトラーを蹴飛ばして窓から追い出すというコント番組みたいな別れ方をします(笑)

 

つまり、誰かの言葉(空想上のヒトラー)を借りなくても自分なりの信念を見つけることで、ジョジョは1歩大人へと成長を遂げました。

軍服を着て戦争ごっこを楽しむよりも、エルザを愛し、彼女の笑顔のために生きようと「社会」という大きな目線から「個」の目線をジョジョが学んでいくのです。

もう彼にはヒトラーのアドバイスは必要ないってことですね。

 

そして、この辺の成長過程は涙なしには見れないほど感動的でした…。ラストの白紙の手紙も、靴紐のシークエンスも、一つ一つのギミックに涙…。

一人の少年の成長物語としても本当によくできた作品でした。

スカヨハ最高!!!

主役のジョジョを演じたローマン君も本当に可愛いし、親友役のアーチー君もいい味出してるし、サム・ロックウィルも本当に良い演技でしたが…!

個人的には母親役を演じたスカヨハがMVPです!!!!

 

しなやかな女性らしい強さをここまで見事に演じられる女優、中々いないですよ。

戦争中で夫もいない状況でも悲壮感は全然なくて「最後はダンスを踊るのよ」と笑い、暖炉の煤を顔にべったり塗り父親に扮して「その口の利き方はなんだ!」とジョジョを怒ったりと、ユーモアたっぷりで心優しい母親を演じています。

 

何より、ヒトラーに憧れていくジョジョを無理に止めようとはせず、やさしく傍で見守るような演技も魅力的!「いつかはわかる時がくるわ」と程よく諭してあげる彼女が本当に美しいし、こういう母親になりたいと心底思いましたよ!

 

スカヨハって昔はミステリアスで浮世離れしたような美女みたいな役が多かったけど、今は地に足がついた役をすごく上手に演じますよね。「マリッジ・ストーリー」の母親役もすごく良かったですし。

 

私が映画を見始めたときからずーと大好きな女優さんなので、彼女が年齢ととも輝きを増し、女性として強く成長している姿にすごく勇気をもらえます。これからもきっとずーと大好きな女優です。

 

2020年も始まったばかりですが、こんなにも早く心からじんわりと温まる素敵な作品に出会えて満足です。いろんな人に見てほしい作品でした!

 

 

 

【フォードvsフェラーリ】あらすじ・ネタバレ感想!車好きじゃない人も見てほしい最高のカーレース映画

フォードvsフェラーリ 個人的評価★4.3(5点満点)

(画像出典:https://www.cinematoday.jp/movie/T0024304/photo/T0024304p

 

新年1発目!「フォードvsフェラーリ」を見てきました!

予告段階では「うーん。私、車やレースに興味ないしなぁ」と思っていましたが、映画評論家の町山さんが「2019年のアメリカ映画No.1!」と絶賛していたので見に行きました(笑)。

 

結果としては…新年1発目にふさわしい素晴らしい映画でした!

今回は「フォードvsフェラーリ」のあらすじ・感想(ネタバレ有)を詳しくまとめていきます!

 

「フォードVSフェラーリ」のあらすじ

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マット・デイモンクリスチャン・ベールが初共演でダブル主演を務め、1966年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォードの男たちを描いたドラマ。

 

ル・マンでの勝利を目指すフォード・モーター社から依頼を受けた、元レーサーのカーデザイナー、キャロル・シェルビーは、常勝チームのフェラーリ社に勝つため、フェラーリを超える新しい車の開発と優秀なドライバーの獲得を必要としていた。

 

シェルビーは、破天荒なイギリス人レーサーのケン・マイルズに目をつけ、一部上層部からの反発を受けながらもマイルズをチームに引き入れる。

限られた資金と時間の中、シェルビーとマイルズは力を合わせて数々の困難を乗り越えていくが……。

引用:映画.comより(https://eiga.com/movie/90540/

 

映画内で説明があるので、レースや車の知識がなくても十分楽しめます!私もこの映画で初めて「24時間耐久レース」とかフォードやフェラーリの関係について知りました。

 

「フォードVSフェラーリ」の監督・キャスト

監督ジェームズ・マンゴールド

 

キャスト

キャロル・シェルビー …マット・デイモン

ケン・マイルズ…クリスチャン・ベール

リー・アイアコッカジョン・バーンサル

レオ・ビーブ…ジョシュ・ルーカス

 

クリスチャン・ベイルマット・デイモンと、ハリウッドを代表する俳優が共演。クリスチャン・ベイルがぶっ飛びまくってるレースシーンが最高ですw

 

ちなみに、彼は昨年公開の「バイス」で役作りのために20kg太り、今作の出演にあたり30kg痩せたそう

 

何度もこういうことを繰り返してきた彼ですが、医者からも「もう健康に悪いからやめて!」ストップされ、今後は過度な増量は減量は控えるそうです(笑)

 

「フォードVSフェラーリ」の感想(ネタバレあり)

汗が噴き出るほど迫力満点!なカーレースシーン

今作は映画タイトルからも明らかなように「カーレース」を主題としています。

正直、私自身は車もレースも全く興味がないですが、そんな私でも「すごーーー!」と興奮させてくれる映画でした。

 

何より特筆したいのは、カーレースシーンの迫力!

このご時世にも関わらずCGは極力使わず、本当にカーレースを撮影しているため、もう迫力が凄まじいです。

 

カーレースってこんなスリリングで、迫力満点なのかー!と大興奮でした。

あまりに興奮しすぎて、見ている最中に汗だくになってました(笑)。

 

youtubeに実際の撮影風景がアップされていますが、これを見ているだけでもドキドキ!このメイキング見たら、そりゃあんな迫力満点な画になるよな!と納得です。

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映画館の大スクリーンと音響がないと、この迫力は楽しめないです!ぜひ映画館で見てください!

 

泥臭く、男くさい。おしゃれさ皆無の映画

映画の舞台となるのは1960年代のアメリカ。沢山物を作ってガンガン経済をまわしていた時代ですね。

 

現代の「効率重視」といったスマートさはなく、映画全体の雰囲気も暑苦しくて泥臭く「男臭」がプンプンと漂ってきます

 画面越しからも、車のオイルや汗のにおいが伝わってくる…(笑)

 

これほどまでに女の気配がない男らしさに満ちた映画も今時珍しいんじゃないでしょうか?

 

映画では「フォードがフェラーリル・マンで勝つ!」と大きな軸をもとに、主演二人の友情・家族・そして仕事をともにする仲間たち…と様々なテーマが描かれます。

特にケンとシェルビーの友情がとにかく胸アツ。

 

お互い一般社会には馴染めない「変わり者」同士が、初めて自分の世界を共有できる人を見つけて、本当の友情を結んでいくんです。お互い偏屈なので、殴り合いの喧嘩もしますけど(笑)。

 

女の私からすると「男ってバカねー」ってスタンスで見つつ、心の奥底では「こんな関係を結べるなんていいなあ」と羨ましくなったり。

 

同じビジョンを描ける人と仕事できるって、それだけで人生は幸せだろうなと思います。

 

サラリーマンあるあるが辛い…!

車、男、アメリカンヴィンテージと男性が好きな要素がいくつもちりばめられているんですが、「サラリーマンあるある」にグッとくる人も多いと思います。

 

主人公2人は、フォード社から「フェラーリに勝つ車をつくれ!」と言われ皆で協力しながら進めていくものの、毎回邪魔するのは味方であるはずのフォード側。

 

今作ではフォード社の副社長演じるジョシュ・ルーカス「クソ野郎ー!」と言いたくなるくらい権力に服従しまくる嫌~な上司を演じていますw

 

例えば、性格は難ありだがレースの腕は確かなケンを「会見で変なこと言われると困る」と会社のメンツを保つためにル・マンのレーサーから除外。

結局そのほかのメンバーでは実力不足で、フェラーリにズタボロに負ける…という最悪の結果に。

 

本来は「フェラーリに勝つこと」が最大の目的だったはずなのに、「会社」の枠組みにとらわれ、シンプルに物事が進まないんですよね。

現場を知らない役員幹部が「上からの命令だから」の一声で現場を混乱させていくってサラリーマンなら誰しも経験あるのではないでしょうか…。

 

そういう中で時には役員たちに反発したり、結果を出して見返したり、グッとこらえたり……。

仕事をしている人なら「あー分かるよ!分かる!」となるシーンが多々ありつつ、最後は「それでも頑張ろう」と勇気をもらえる内容になっていました。

全てのサラリーマンに見てほしい…。

 

そして、みんなで協力して一つの目標に向かうって仕事の楽しさだし、醍醐味だなぁと改めて思いましたね。

 

レースに勝つためには天才的なレーサーも必要だけど、それを支えるエンジニアだって必要不可欠な訳で。

お互いに足りない部分を埋めあっていくことで、仕事は完成するんだなと改めて考えさせられました!

 

人間を突き動かすのは「狂気」なのか

この映画は友情や仕事といった普遍的なテーマもいいんですが…個人的には主人公2人の狂気じみたカーレース愛がとても興味深かったです。


レースシーンでは一人称視点となり、まるで自分がレーサーになったような気分となるのですが…これが本当に怖い!

特にル・マンレースの夜、土砂降りの雨の中走るシーンは「こんな中走るなんて…正気の沙汰とは思えない…」と思うほどの恐怖。

 

雨で全然前が見えず、急に車が目の前に現れたときは思わず「ヒっ!」と声が出ちゃいました…。そもそも24時間もレースしてる時点で、もう狂気じみてますよね(笑)。

 

私はカーレースを見たこともないし興味を持ったこともないですが、この映画を見て私には理解できないけど、レーサーだけが見れる世界があるのだなぁと知りました。

 

ケンも「俺は普通の世界じゃ生きていけないんだよ」と奥さんに言うんですが、そりゃカーレース中の興奮を何よりも楽しんでる人間が普通の仕事なんて無理だよなと納得。

 

しかし、映画のラスト。

ケンは車の試走をしていると、ブレーキがトラブルを起こし車が爆発。ケンは脱出に失敗し、帰らぬ人となってしまいました。

これは映画の脚色ではなく本当の話で、ケンは47歳の生涯を車の中で終えたのです。

 

この衝撃的なラストもまさにレース狂と言える、彼らしい幕引きだな、と。

 

私は彼と違って普通の人間ですので彼の生涯を理解できない部分はありつつも、こういう風に、その人にしか分からない狂気の世界を見れるのも映画の楽しみだなと。

 

ですので「レースなんて興味ないよ」って人も、「こういう世界でしか生きられな人もいるんだなぁ」と社会科見学のような気持ちで見ることが出来るはずです(笑)

 

思っていたよりも普遍的なテーマが沢山詰まっていて、どんな立場の人が見ても「面白い!」と思える作品でした。

これは絶対映画館で見るべき映画ですので、是非映画館でこの興奮を楽しんでくださいね!

 

【2019年総括】NETFLIXのドラマ・映画で見てよかった10本

netflix2019


2019年最後ってことで、今回はNETFLIXのドラマ・ドキュメンタリー・映画など、「見てよかった!」と思える作品10本をまとめいきます。

 

ちなみに、同じように2019年の映画&映画音楽、2019年の洋楽アルバム5枚をまとめた記事もありますので、よければご覧になってください★

www.motchan3102.com

www.motchan3102.com

 

それでは、2019年NETFLIXで見てよかった作品10本を紹介していきましょー。

 

※ドラマの新シリーズは含めず、基本は2019年に初配信された作品から選んでいます。

NETFLIXオリジナル作品から選んでいます。

※ベスト5とありますが、特に順位はないと思ってくださいw

 

 

2019年 NETFLIXオリジナル作品ドラマ部門 ベスト5

※ドラマとありますが、アニメ・ドキュメンタリー・リアリティ番組も含みます。「シリーズもの作品」という基準で選んでいます。

ポリティシャン

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「クセが強い!!」登場人物ばっかりで、最後まで飽きることなく見れました。

1話1話ごとにジェットコースターのような急展開があり、「次はどうなるんだー!」と毎回ワクワクさせてくれる作品。

 

学生たちが自分の夢や目標の為に、どんどん非道になっていくのが最高でした(笑)。海外ドラマは、このくらいブッ飛んでる方が楽しいですね。

 

あと、各キャストの性格を表現するファッションも見どころ。

特にルーシーちゃんのミニスカ姿は目の保養…(笑)!シーズン2も楽しみです!

 

リラックマとカオルさん

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いろんな意味で2019年一番の衝撃作でした。リラックマをテーマに、これだけ良質な人間ドラマを作るなんて。

 

なにより作品の世界観を支える、ストップモーションアニメ技術に度肝を抜かれました。ストップモーションアニメでこんなにも滑らかに、まるで生きているかのような動きを表現できるのか…と。

 

まぁ…そういう御託うんぬんよりも、コリラックマと黄色いトリが本当に可愛すぎて。

 

見終わってしばらく「私もコリラックマ欲しいよぉ…」と現実とアニメの境界線が曖昧になっていました(笑)。

 

あと、カオルさんの部屋の小物を見るのも楽しかったですね。「細かいところまでよく出来ているな~」と、ミニチュア雑貨を見ている気分でした。

 

ボクらを見る目

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1989年、10代の黒人少年5人が、無実の強姦罪で有罪判決を受けた「セントラルパーク・ファイブ」をベースにしたドラマ。

Netflixの最高再生回数を記録した、2019年を代表するNETFLIXドラマの一つです。

 

これが実話なんて信じられない…ってくらい衝撃的な内容で、しばらく引きずってました…。

 

全く事件に関わっていない彼らが、警察により容疑者に仕立てられていく過程が痛々しい…。

10代の何の罪もない彼らにこんなことさせて、無実を勝ち取るために25年も苦しめられていたなんて本当にありえない話ですよ…。

 

この作品がアメリカ本国でも高く評価されているってことは、これが過去の話ではなく、今現在も続いている話ってことなんでしょうね。

 

ビューティフル・シングス 人生にボサノバを

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ゆったりとバサノバソングが流れる、おしゃれな恋愛ドラマかな…と思ったら、どっちかというとドロドロな昼ドラ的なドラマでした(笑)。

 

4人の登場人物がそれぞれ悩みを抱えてて、だんだんとドロドロの展開になっていくのにドキドキハラハラ。

 

とはいえ、内容については突っ込みどころも多く「いやいや!そんな展開あるか!」と毎回突っ込みを入れて楽しんでました(笑)。

 

ラストは「え!?」と思わず声を出してしまったほどの超変化球

昭和のメロドラマか!と突っ込みつつも、とにかく続きが見たくてたまらないです!!

 

そして、女性陣が恐ろしいほどに美しい。クラシカルな服装やヘアなど、女心をくすぐられっぱなしでした。

 

クィア・アイ in japan!

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待ち望んでいたクィア・アイの日本版!ファブ5が日本人の悩みを丁寧に解決していってくれて、私も見ているだけで心が軽くなりました。

 

出てくるのが同じ日本人なので、文化や社会的背景も理解できて「わかる!わかるよ!」と毎回のごとく号泣。

 

誰だって自分を愛するべきだし、誰だって魅力的な部分を持ち合わせているんだなぁと改めて気づかせてくれました。

 

でも、見ていて「東京ってゴチャゴチャしてる街だなー」と気づいて少し悲しくなりましたw

 

2019年 NETFLIXオリジナル映画 ベスト5

お次は映画部門から5作品選びました。今年のネトフリは大豊作でしたね。

マリッジ・ストーリー

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2019年に見た映画で一番好きです。こんなにも苦しくて、温かい愛の物語を見れるなんて。

映画はある夫婦が離婚するまでを描いており、さながら現代版「クレイマー、クレイマー」って感じです。

 

なにより主演二人の演技があまりにも自然すぎて、ラストのあの喧嘩シーンは気付いたらボロボロ泣いてました。

 

どちらも大好きな役者ですが、特にアダム・ドライバーの演技は本当に最高。不器用に息子も妻も愛そうとしている彼が本当に愛おしかったです。

 

私は未婚ですが「夫婦ってなんだろう」と考えさせられ、それでも「夫婦って何だかんだ良いものなのかな」と思える作品でした。

 

ルディ・レイ・ムーア

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ドリームガールズ」でエディ・マーフィーの歌声と演技に魅了された私としては、この作品は選ばずにはいられないです。

 

実在の黒人歌手で俳優のルディ・レイ・ムーアの半生を描いた映画。

私は知らなかったのですが、70年代に活躍し、後のラッパーたちにも大きな影響を与えた偉大な人物だそうです。

映画は彼が主演&制作の大ヒット映画「ドールマイト」の舞台裏が描かれています。

 

いろんな困難にぶち当たりながらも、スターになった彼の生きざまは「かっこいい!」の一言。自分を信じて進んでいけば、いつか道は拓けるのかしら。

 

人を笑わせたい!スターになりたい!という主人公の役柄がエディ・マーフィーにピッタリでした。

コメディもシリアスも歌もダンスもパーフェクトで、彼はやっぱり正真正銘のスターなんだなと改めて思いました。

 

ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-

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豪華キャストが集結したコメディ映画。

バイス」が好きな人なら、この作品も楽しく見れると思います。

 

パナマ文書の計画を企てた弁護士、甘い蜜を吸う富豪たち、その裏で被害を被る庶民たち。それぞれのドラマが徐々に絡み合っていく展開にグイグイと引き込まれました。

最後の大ドンデン返しも映画ならではの演出。

 

また、本当のラストを飾る、メリル・ストリープの独白は必見もの。

終始ギャグが多めで軽やかに進んでいたのに、このラストがずしっと重たい余韻を残してくれます。

アイリッシュマン

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まさかスコセッシの新作をスマホで見るなんて…と新しい映画体験が出来た1作でした。

 

アメリカ裏社会を3時間長という上映時間で描きあげた、スコセッシ節炸裂の映画。

個人的にスコセッシの映画ってあまり好きではないんですが、今作はとても見ごたえがあり、お気に入りの1本となりました。

 

ロバート・デ・ニーロアル・パチーノなど、名だたる名優が一つの節目を迎えるかのようにこの映画に出演しているのも、なんだか新時代感があって感慨深い。

彼等の映画人生の回顧録のような作品でした。

 

いつかはマイベイビー

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ぶっちゃけ可もなく不可もなくって作品なんですが…こういう作品を気軽に見れるって配信サービスのメリットだなと気が付いた作品でした。

 

わざわざお金出して借りるほどじゃないけど、休日にお菓子片手にのんびり見たい作品…といえば何となく分かりますよね?(笑)

 

アイリッシュマン』のようにどっしりと濃厚な映画も勿論大好きですが、たまにはこういう作品を良いよねってことで選びました。

 

そして、キアヌの演技は、今年見た映画の中で一番爆笑した(笑)。

面白すぎて3回くらい巻き戻して見ました(笑)。これが気軽に出来るのも配信サービスの良さですねw

 

2019年 NETFLIXをまとめてみる

NETFLIXの影響力の大きさ

時代はまさに動画配信サービスの戦国時代。そして、そのトップを独走しているのはNETFLIXその影響力たるや計り知れません。

2019年『定額制動画配信』ランキング発表 オリコン顧客満足度®調査|株式会社oricon MEのプレスリリース

 

私自身「映画は映画館やDVDで見るもの」という固定概念も消え、映画の見方や在り方が大きく変化した1年間でした。

 

国内の流れを見ても「全裸監督」園子温の最新作「愛なき森で叫べ」が配信されたりと、日本の映像業界にも新しい風が舞い込んでいる様に思えます。

 

特に「全裸監督」は作品のテーマやその後の騒動も含めて大きな話題になりましたね。

話題沸騰、山田孝之主演ドラマ『全裸監督』黒木香さんの同意は?Netflixに聞いてみた | 女子SPA!

 

さらに、昨年は「ROMA」がアカデミー賞も受賞し、映画界にも大きな影響を与えています。

今年は「マリッジ・ストーリ」「アイリッシュマン」も話題になってますし、今後も見逃せないです。

 

見たい作品ありすぎ問題

映画館での映画鑑賞も動画配信サービスも楽しんだ半面、見たいものがありすぎてノイローゼになりそうです(笑)。

マイリストに追加するものの、結局見ないでいる作品が山ほどあるんですよねぇ。

 

積本と一緒で「いつかは見ようと思っているけど…」状態です。映画も見逃したものが山ほどあるので「時間が足りない」とちょっと焦っています(笑)

 

手軽に映画を楽しめるようになった半面、あまりにも情報量が多すぎて、ややストレスになっているなとも思います。

 

その結果、当たり障りないアニメとかドラマを見ちゃったり(笑)。

なんだかんだ、ネトフリで今年一番見たのは「サウスパーク」なんじゃないかと思っています(笑)。

 

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とはいえ、来年もNETFLIXの活躍が楽しみです!これから動画配信サービスがどう成長していくのか、見逃せないですね!

 

【2019年総括】心に残った映画ベスト5 & 映画音楽ベスト3

2019映画ベスト5&映画音楽

いよいよ2019年も終わりを迎えようとしています。人生で初めて元号が変わり、なんだか新時代感が強かった2019年。

 

今回は2019年の振返りとして、今年見た映画ベスト5&映画音楽をまとめてみました!

基準は「2019年に公開された映画」から選んでいます。

あと、ベスト5って書いてますけど、順位とくにありません。全部1位みたいなもんです

 

ちなみに、映画レビュー記事内の点数はあくまで「見た直後につけた点数」ですので、今回のランキングにはあまり考慮していません。

ってことで、2019年の総括いってみまーす。

 

ちなみに、2019年のNETFLIX作品10本

www.motchan3102.com

 2019年洋楽アルバム5本を選んだ記事もありますので、是非ご覧ください!

www.motchan3102.com

 

 

2019年 心に残った映画ベスト5

アベンジャーズ・エンドゲーム』

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あまりにも壮大な物語すぎて、レビューを残すことさえ出来ませんでした。

 

実はマーベル映画はここ数年でハマった、いわゆるにわか野郎なんですが、この映画を映画館でリアルタイムで見れたことを誇りに思います

 

映画界の一大ムーヴメントを世界の映画好きと一緒に楽しめて、本当に幸せでした!

映画を見た帰り道、アイアンマン好きの彼が「あのラストは納得いかない!」とプリプリしていたのも思い出の一つ(笑)。

 

しかしながら、上映時間3時間は長すぎる…!

上映後、頭も体も痛くてグロッキーになったことを今でも覚えています(笑)。

映画は長くても2時間、それ以上なら一旦休憩タイムを設けてくれと切実に願うようになりましたw

 

その次の『ファーフロム・ホーム』も良かったなぁ。

これでファーズが終わるって構造も憎いな、マーベル凄いなと感服。これからどう世界を広げていくのか見逃せないですね。

 

『バジュランギおじさんと小さな迷子』

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今年見た映画で一番「見てよかったなぁ~」と思える作品

いまだにラストシーンを思い出して、うるっとすることさえある。

 

声が出せない迷子のパキスタンの少女と、信仰心の強いインドの青年によるロードムービー。国や宗教の対立を超えた、二人の物語に涙、涙、でした。

 

どんな国であろうと、どんな宗教に属していようと、一番大事なのは「愛」

陳腐なテーマにも思えますが、ここまで真面目に丁寧に描かれると、グッときちゃうもんです。

 

▼レビュー記事はこちら

『バジュランギおじさんと小さな迷子』あらすじ・感想!一番大事なのは国でも宗教でもない!「愛」だ! - 人生は長い目で見れば喜劇である

スパイダーマン・スパイダーバース』

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何もかもが新しくて、クリエィティブで「こんなスパイダーマン映画を見れる時代に生まれてよかった」と思わせてくれた1本。

「とんでもない映画に出会えたな」と、上映後もしばらく興奮してました。

 

類をみない映像時術は勿論、「誰もがヒーローになれる」という今の時代にぴったりのテーマも良かったです。

 

吹き替え声優陣も物凄くハマっていたし(宮野さんのやさぐれピーター・パーカーが最高!)、なにより音楽が最高すぎてアルバムを何回リピートしたことか!

 

この作品が一つの分岐点になる、そんな新時代のアニメ映画だと思います。

 

▼レビュー記事はこちら

【スパイダーマン:スパイダーバース】あらすじ・感想!凄まじいクオリティで描かれた新しいスパイダーマンたち! - 人生は長い目で見れば喜劇である</p

女王陛下のお気に入り

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鑑賞直後は「好き」くらいの熱でしたが、今現在は「めっちゃ好き」に昇華している作品です。2019年の映画で一番印象に残っています。

 

わがまま女王と、女王の側近の座を狙う2人の女性。個人的には女性のドロドロ合戦よりも、男性陣がとにかくポンコツすぎて笑えました(笑)。あの初夜のシーン、未だに笑えますわ(笑)

 

重厚な音楽、エキセントリックな撮影技術、オスカー女優3人の演技合戦。

どれをとっても最高の一言。

 

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オスカー授賞式のオリヴィアのスピーチも最高に良かったです!w

 

▼レビュー記事はこちら

【女王陛下のお気に入り】感想・女優3人の演技が凄まじい!ラストシーンの意味とは? - 人生は長い目で見れば喜劇である

 

『天才作家の妻ー40年目の真実ー』

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淡々としているけど、ものすごく凝縮した人間ドラマを楽しめた作品。

こういう愛の形もあるのかなぁと考えさせられました。

 

静かな怒りと途方もない愛情が入り混じった、なんとも言えない感情を名女優のグレースが見事な演技で表現しています。

夫婦は一筋縄ではいかないし、だからこそ愛おしいのでしょうか。

 

心の奥にそっとしまっておきたい1本となりました。

この作品も、旦那さんがポンコツクソ野郎で可愛いんだよなぁ(笑)。

 

▼レビュー記事はこちら

『天才作家の妻-40年目の真実-』ネタバレあらすじ&感想!思ったよりも笑える老夫婦の愛の物語 - 人生は長い目で見れば喜劇である

 

2019年映画音楽ベスト3

スパイダーマン・スパイダーバース』
Post Malone, Swae Lee - Sunflower

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ぶっちぎりの1位。spotifyで2019年一番聞いた曲でした。いつまでも聞いてられる心地よさ。

 

映画館でこの曲とオープニング映像が流れた瞬間「この映画めっちゃ好きだわ」と確信しました。

 

エンディングの「Elevate」も映像・音楽ともに最高すぎました。

映画館で前の席に座っていた若い女の子が、この曲が流れた瞬間「Woo~!」とノリノリで踊りだしたのも記憶に新しい(笑)。

 

『Gully Boy』Apna Time Aayega

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インドのラッパーの半生を描いた映画「ガリー・ボーイ」から。思わずリズムにのっちゃう音楽ですよね。

 

「俺の時代は来ているんだ…!」という下剋上ソングなんですが、悶々としているときにこの曲聞くとスカッとします。

映画自体は思っていたよりも微妙でしたが、サントラアルバムはしばらくヘビロテしてました。

インドラップ、独特のリズムとフローがなんとも言えない魅力があります。

 

The Lion King「The Gift」 

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映画は見てませんが、今年の夏にガンガン聴いたアルバムでした。

 

ビヨンセを筆頭に、ケンドリック・ラマー、メジャーレイザー、ファレル・ウィリアムズなど名だたるアーティストが集結。

「ライオンキング」ということで、特にアフリカ出身のアーティストが数多く参加しています。

 

サウンドトラックというよりも、 「ライオンキング」をテーマにしたビヨンセの新しいアルバムという位置づけですね。

 

夏の気分を盛り上げてくる楽曲が多く、あらゆる場面で聞いていました。日本映画でもこういうコンセプトアルバムみたいなの作ってほしい。

 

2019年の映画まとめ

良作が多かった1年間

去年はボヘミアン・ラプソディ』『ROMA/ローマ』人生のベスト10に入る映画が2本も公開されましたが…。

正直、今年は「コレ!」と心が大きく揺さぶられる映画はなかったですね。良作が多かったってイメージ。

 

世間的に見ると、今年の一番盛り上がったのはアベンジャーズ・エンドゲーム』でしょうね。邦画はやっぱり『天気の子』じゃないでしょうか。こちらも深海監督の新しい挑戦が見れて大満足でした。

 

それにしても、社会人になると中々映画が見れないですね~。

周りの人よりは映画見てる方だと思うんですが「年間100本見てます!」みたいな人に比べたら私なんて全然だなーと。

 

とはいえ、貴重な休日に1時間もかけて映画館に行っているわけですから、やっぱり自分は映画好きなのだなぁと改めて思ったり。

来年は年間50本は見たいですが、果たしてどうなることやら。

 

新しい映画鑑賞の在り方

見た映画の本数は減っているものの、その分、動画配信サービスを楽しんだ1年間だったと思います。

もちろん、映画館で見た方が集中して見れるし、音響も雰囲気も映画館のほうが最高ですけどね。


でも、これだけ手軽に映画を見れる時代になるなんて、数年前には想像もつきませんでしたね。まさか、スコセッシの新作をスマホで見るなんて(笑)!

 

今年のゴールデングローブ賞NETFLIXの「マリッジストーリー」が最多ノミネートとなりましたし、明らかに映画の在り方が大きく変化しているんだろうなと感じます。

 

来年も配信映画含めて、いろんな作品に触れていきたいですね!

 

【イエスタディ】あらすじ・ネタバレ感想!テーマはいいけど…な作品。リリーちゃんは最高!!

『YESTERDAY(イエスタディ)』個人的評価★3.8点(5点満点)

 

―――もし、誰もビートルズを知らない世界になったら?

 

そんな世界的大スターをテーマにした映画『YESTERDAY』を見ました。

思っていたよりもコメディ色が強く、娯楽映画として楽しめましたが…

せっかく良いテーマなのに、それが生かしきれていない残念な作品でした。

 

今回は『YESTERDAY』のあらすじや感想をネタバレありでまとめていきます。

『YESTERDAY(イエスタディ)』あらすじ

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売れないシンガーソングライターのジャックが音楽で有名になるという夢をあきらめた日、12秒間、世界規模で謎の大停電が発生─。

 

真っ暗闇の中、交通事故に遭ったジャックが、昏睡状態から目を覚ますと… あのビートルズが世の中に存在していない!

世界中で彼らを知っているのはジャックひとりだけ!?

 

ジャックがビートルズの曲を歌うとライブは大盛況、 SNSで大反響、マスコミも大注目!

 

すると、その曲に魅了された超人気ミュージシャン、エド・シーランが 突然やって来て、彼のツアーのオープニングアクトを任されることに。

 

エドも嫉妬するほどのパフォーマンスを披露すると、 ついにメジャーデビューのオファーが舞い込んでくる。

思いがけず夢を叶えたかに見えたジャックだったが─。

 

公式サイトより引用:https://yesterdaymovie.jp/

 

 

映画館には比較的ご年配、いわゆるビートルズ世代の方が多いようでした。

けっこう皆ケラケラ笑っていたので、劇場内も明るい雰囲気で包まれていましたねー。

基本はコメディなので「ビートルズなんて知らないよ」という若い世代でも楽しめる作品ですよ!

『YESTERDAY(イエスタディ)』キャスト・監督

監督ダニー・ボイル

脚本リチャード・カーティス

 

アカデミー賞作品『スラムドッグ・ミリオネア』の監督ですね。

脚本は『ブリジット・ジョーンズの日記』『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』など、数々のラブコメを手掛けた方ですね。

 

…ぶっちゃけ脚本に無理あるなーと思いながら見ていたのですが、脚本家が手掛けた作品を見て納得…。

突っ込みどころ満載の作品なので「細かいことは気にするな!笑え!」精神が許せない人は見ない方がいいですw

 

キャスト

ジャック・マリック役…ヒメーシュ・パテル
エリー・アップルトン役…リリー・ジェームズ
エド・シーラン
ロッキー役…ジョエル・フライ

 

主演の人はテレビドラマで活躍されているそうですが、とてもきれいな歌声でビックリ!彼が全力で歌う「Help!」のライブシーンが忘れられない(笑)

 

しかし、今回は何といってもリリーちゃん一強!彼女の演技と可愛さに打ちのめされました。

エド・シーランがエド・シーラン役で出演しているのも必見(笑) 

 

『YESTERDAY(イエスタディ)』ネタバレ感想

音楽映画と見せかけたコメディラブストーリー

ビートルズをテーマにしているのでがっつり音楽映画かと思いきや…中身はコメディラブストーリーでした。

 

「売れないミュージシャンがビートルズの曲で一躍スターに!?」とトンでも設定ながらも、一番のテーマは幼なじみとの切なく甘酸っぱ~い恋物語

 

正直ご都合主義すぎる展開なので、あまりアレコレ考えて見る映画じゃないです(笑)

 

とはいえ、かなりテンポよく物語が進み、コメディセンスも高いので、何だかんだ飽きずに見ることが出来ました。

 

あと、何よりジャックの幼なじみエリーを演じる、リリージェームスちゃんが最高すぎます

彼女のみずみずしい演技がこの映画の最大の魅力で、彼女の存在にかなーり助けられていると思います。

 

主人公ジャックをかいがいしく支え続けるという時代錯誤も甚だしい設定ですが、このような役柄を嫌味なく演じられるリリーちゃんに圧倒されました。

リリーちゃんの可愛さを堪能するだけでも見る価値があります(笑)

リリーちゃんのヘアスタイルと衣装が可愛くて目の保養でした★

 

あと、エド・シーランも最高!

音楽配信サービスspotify」の世界ランク1位の歌手が、自分の役で出演するってどんだけ豪華な設定なんだ!(笑)

 

そんな最強歌手なのに、けっこうディスられてるし、けっこう不憫な役を演じていて驚きました。

この役引き受けるって、多分エド・シーランめっちゃいい人だと思う(笑)

 

あなたのビートルズはどこから?

ある日を境に、世界中の皆がビートルズを知らない世界になってしまう…。

 

これが大きなテーマなんですが、面白いのがビートルズがいないってことは「オアシス」も存在しない世界になってしまうんです。

 

彼らはビートルズの影響を受けまくっているからです。ちなみに、ローリング・ストーンズは存在します(笑)。

 

ってことは、ビートルズがいなければ、いま私が聞いているUKバンドたちも生まれなかったかも…?と思わず考えてしまうユニークな設定でした。

邦楽だって、今人気のバンドたちが生まれなかった可能性だってあるわけで。

 

ちなみに、私(20代後半)が初めてビートルズを知ったのは、小学生のころ吹奏楽部で演奏した「Let it be」でした。

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そのときは「ビートルズ」は知りませんでしたが、子供ながらに「いい曲だなあ」と、よく口ずさんでいました。

 

その後、高校の時に村上春樹の「ノルウェイの森を読み、実際のビートルズの曲を聴き、衝撃を受けましたね。

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私が生まれる前に作られた曲なのに、なんちゅー前衛的な音楽なんだ!と驚きました。

それから、ようやくビートルズの曲をちゃんと知ったって感じですね。

 

こんな感じでド世代じゃなくても何らかの形で「ビートルズ」と出会い、彼らの音楽に絶対触れているんですよね

それってすごいですね。もう共通言語みたいなもんじゃないですか。

 

劇中でも「ビートルズのいない世界は味気ない」って台詞がありますが、確かにそうだなぁとしみじみ思いました。

ビートルズが各芸術分野に与えた影響って、とんでもなく大きいんだなーと改めて実感。 

本当に大事なのはお金?愛?※ネタバレあり

ジャックは富と名声を得つつも、それは自分の曲で熱狂させているわけではない。

音楽会社は自分を単なる「商品」としてしか見ていない。

 

スターとして駆けあがっていく中で、大事なエリーとも離れ、自暴自棄になっていくジャック。

 

本当に自分のありのままの姿を愛してくれる存在が、どれだけかけがえのないものか。

ジャックはようやくその事実に気が付きます。

 

そして、それを教えてくれるのが、あのジョン・レノンというまさかの展開。

要はジャックの世界軸では、ジョンレノンは生きていて、田舎の浜辺近くでのんびりと幸せに暮らしているんです。

 

ちょっと寂れた小さな家にいながらも、芸術と自然を愛しながら暮すジョン。

一世を風靡した大スターとはちょっとかけ離れた生活ながらも、ジョンは幸せそうに穏やかな暮らしをしています。

 

ジャックが幸せになる方法を聞いてみると「自分に嘘はつかず、愛する人に愛していると言いなさい」とアドバイス

 

それを聞いたジャックは、エドのライブに飛び入り参加し真実を暴露

 

「僕の曲はビートルズってバンドの曲なんだ。騙してごめん。

でも、彼らの曲は最高だから、誰でも聞けるようにする。

ネットで無料配信するよ」

と宣言し、エリーちゃんに愛の告白をして、ようやく彼らは結ばれます。

 

正直、このラストはまぁ良いといえばよいですが…

大きな風呂敷を広げたわりには、最終的にはけっこう身も蓋もない結末を迎えているような…。

 

ラストは「ふつーがいいよね」みたいなこと言ってて、「え?それがテーマなの?」と思ってしまった(笑)。

まあ「All you need is love」ってことですかね。そうしときましょうか。

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雑な部分が多すぎる

正直、結末部分もそうですが、全体的に雑な部分が多すぎるんですよね。

 

一番謎なのが、ビートルズの曲を覚えている男女2人。

彼らが何故ビートルズの曲を覚えているか、全く説明が無くて終始モヤモヤしてました。

 

記者会見シーンも謎です。彼らがジャックを追い詰めるようなセリフを言うんですが、あれは何の意味があったのか…。

見終わった後、アレコレ考えても意味不明なんですよね(笑)

 

こういう細かい部分まで練り上げていないのが見えてきてしまい、手放しに褒めることが出来ないですね。

 

総括すると、期待していたほどではないですが、それなりに好きなかなというビミョーな映画でした(笑)

 

しばらくはビートルズを聞いて過ごそうと思います♪

【ガリーボーイ】あらすじ・ネタバレ感想!インドラップで自分の世界を切り開け!

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引用:https://eiga.com/movie/91443/photo/

ガリーボーイ」個人的評価★3.9点(5点満点)

インドのラップ映画『ガリーボーイ』

ようやく私の地元でも公開になったので見に行きました!

インドでラップ!?と少々衝撃的でしたが、結果としては新しいインド映画の面白さを発見できた作品でした!

 

今回は「ガリーボーイ」のあらすじとネタバレ感想をまとめていきます。

ガリーボーイ」あらすじ

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インドで活躍するアーティスト・Naezyの実話をもとに、スラムで生まれ育った青年がラップとの出会いによって人生を一変させる姿を描いた青春サクセスストーリー。

 

ムンバイの貧しい家庭で生まれ育った青年ムラード。

両親は彼を大学へ通わせるため一生懸命に働いているが、そんな親の思いを知る由もなく、ムラードは悪友と車上荒らしに手を染め、医者の父を持つ身分違いの彼女と内緒で付き合っている。

 

自分の人生を半ば諦めて生きてきたムラードだったが、大学構内でフリースタイルラップのパフォーマンスをしていた学生MC Sherとの出会いをきっかけに、ラップの世界にのめり込んでいく。

親からの反対や友情、恋など様々な葛藤を抱えながらも、フリースタイルラップの大会で優勝を目指すムラードだったが……。

引用:https://eiga.com/movie/91443/

 

予告の音楽がすでにカッコイイ!!!英語のリズムやフローともまた違う、独特なラップですよね。

 

ちなみん、主人公の演技にはウィル・スミスも大絶賛。大人気スターまでこんなラブコールを送っているとは!

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ガリーボーイ」監督・登場人物

監督…ゾーヤー・アクタル

写真を見たら美人な女性監督さんでした。

けっこう作品を作っているようで、その手腕は高く評価されています。

 

キャスト

ムラド・アフメド(ガリーボーイ)…ランヴィール・シン

サフィナ…アーリヤー・バット

シュリカント(MCシェール)… シッダーント・チャトゥルヴェーディー

アフターブ・シャーキル・アフメド…ヴィジャイ・ラーズ

モイン・アーリフ…ヴィジャイ・ヴァルマ

 

宇多丸さんの映画評でも話していましたが、主人公のランヴィール・シンさんは他の作品だと全然キャラクター違います!

普段はイケイケキャラを演じることが多いようで、今回のムラドは全然印象違うので驚き。

そして、インド美女は本当に目の保養。みんな麗しい…。

ガリーボーイ」ネタバレ感想

王道的な音楽映画!インドラップが超cool!

内容を一言で言うなら、王道的な青春音楽映画でした。

インドの格差社会で生きる若者がラップによって下剋上していく…というシンプルなストーリー。

 

この手の作品は音楽が肝ですが、その点は心配なく。全曲めちゃくちゃアガる超絶かっこいい曲ばかりです。

 

お恥ずかしながらインド映画音楽といえば「みんなで歌って踊って!」的な音楽しか知らなかったので…劇中で流れる音楽がめちゃくちゃカッコよくてビビりました。

 

個人的にはシェールの「Sher Aaya Sher」が好きです。低音ボイスがたまんないっす。

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音楽に国境はないとは正にこのこと。

クールな音楽はこの世に沢山あるんだな~!と感動しました。

 

ちなみに、映画はインドの実在のラッパー「Neazy」の人生をもとに描かれています。

indian-music-catalog.com

 

ちなみに、彼を一躍有名にしたのがこのデビュー曲。

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映画同様、iPadで撮影して、youtubeに投稿したところ、とんでもない反響があったそう。クソかっこいいっすね……。癖になるリズム…。



インド映画に偏見を持っている人も「こういうのもあるのか(孤独のグルメ風)」と新しい世界を楽しめる映画です。

あるいは、ラップ音楽好きじゃなくても人間ドラマも非常によく出来ているので、肩肘張らずに見れると思いますよ!

 

何故主人公にはラップが必要なのか?

主人公ムラドはラップ少年にありがちな「悪い奴、全員トモダチ」的なガラの悪い青年…ではなく、素朴で地味な印象の青年です。

むしろ、自己主張をあまりせず内向的とも言える性格。

 

そんな彼を変えたのが相棒のMCシェール

大学で物おじせずに自分のラップを披露する彼を見てムラドは感動。

そして、シェールのSNSで見かけたラップバトに出向くと、彼に自作の歌詞を「これを使ってくれ」と渡します。

 

しかし、シェールは「何でおれが歌うの?」と拒否。「自分の言葉は自分で歌え」と教えてもらいます。夏に見た「ロケットマン」とは違う展開ですね(笑)。

 

このシェールの言葉、めちゃくちゃ良いですよね。

伝えるべき言葉があるからラップが出来るのであって、その言葉があれば誰もがラッパーになれるんだとムラドが知るシーンです。

 

それにしても、シェールが良い奴すぎて惚れるwぶっちゃけムラドよりも魅力あるキャラクターでした。

 

そして立場は違えど、こうやって文章を書いている私もハッとさせられました。

「伝えたいことがあるから文章を書く」のであって、目的と手段はごっちゃまぜにしてはいけないなと今一度確認。

 

今、洋楽界ではHIP・HOPが大きな盛り上がりを見せており、中でも黒人歌手が目立ちます。不安定な社会だからこそ生まれる歌があり、歌いたいことが溢れてくるのかもしれませんね。

 

この映画は単純に底辺からのし上がっていく、というよりも何も持たざる者が”言葉”で自己形成をしていく過程が面白いですね。

 

歌だけでなく、絵を書いたり、文章を書いたりするのは自己表現の一種

自分の感情を表現していくには、弱い自分を向き合うことも必要です。

 

初めてのラップバトルでムラドが何も言い返せなかったのは、ムラドが自分の弱さに向き合えなかったからでしょう。

しかし、ラストのラップバトル予選。

彼は自分の弱さも苦しみも正面から向き合ったからこそ、相手の言葉にも動じずに言い返すことが出来た

 

 

内向的で自己を上手く表現できなかった青年が、音楽を通して自己表現を成し遂げ成長する…。

この過程を丁寧すぎるくらい丁寧に描いている作品でした。

 

ただし上映時間は長い

映画音楽もストーリーも好きなジャンルだし、楽しく見れたのですが…とにかく上映時間が長い!2時間半くらいありますからね…。

 

そして、ところどころテンポが悪くなるので、途中から本当疲れてしんどかった…。

残念ながら私はラストに向けて気持ちが高まるというより、はよラップバトルしてくれ!って気持ちが勝ってしまいました(笑)

あの最初のサフィナの取っ組み合いとか必要だったのか…。

 

2時間以上の映画になると、何より頭痛と目の疲れが辛いですね…。

私「アベンジャーズ・エンドゲーム」を見た時も帰り道でグロッキーになってましたしね。

 

よくよく考えると映画って…

・暗い部屋で強い光を長時間あびる

・大音量で音楽を聴く

・あんまり飲み物飲まない(トイレ行きたくなるから)

映画鑑賞って体調不良を引き起こす原因のオンパレードですよね。。。

 

次、2時間半近い作品を見るときは、最初に鎮痛剤を飲んでおきます(笑)

何か良い対策知っている人は教えてください( ; ; )!

 

評価をマイナスにしたのはテンポが悪く中だるみ感は否めなかったこと、あとそれが原因でラストに向けての興奮が薄れてしまったことが理由です。

 

とはいえ、ラストの曲は超アガります!自然とリズムを取りたくなる。

あと30分短ければ、このシーンをより楽しめたと思います(笑)

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インドラップという新しい世界を見せてくれた今作。今までインド映画を避けてきた人にも是非見てほしいです!

 

評価は下げてますが、なんだかんだ言っても、音楽がとにかく最高過ぎるのでSpotifyでひたすらサントラを楽しんでます(笑)

 

インド映画ってやっぱり外れないですね。今後も見逃せないです!

【エイス・グレード】あらすじ・ネタバレ感想!SNS世代の青春を描いた新しい青春物語

【エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ】個人的評価★3.8点(5点満点)

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画像引用:https://www.cinematoday.jp/movie/T0024219/photo

『エイス・グレード 世界で一番クールな私へ』を見ました。

最近良作を連発しているA24制作、映画評価サイト「Rotton Tomatoes」で評価99%と驚異の高評価を得ている作品が、とうとう日本にも上陸!

 

そんな話題作『エイス・グレード 世界で一番クールな私へ』のネタバレ感想を書いていきます。

『エイス・グレード 世界で一番クールな私へ』のあらすじ

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中学校卒業を1週間後に控える中、クラスで最も無口な子に選ばれてしまったケイラは、高校生活が始まる前に不器用でおとなしい自分を変えようと決意し、クラスメートとSNSを通じて仲良くなろうとする。

しかし、思いを寄せている男子にはどうアプローチすればいいかわからず、人気者のケネディには冷たくされ、お節介な父親にイライラしていた。

引用:https://www.cinematoday.jp/movie/T0024219

 

 

スクールカースト最底辺の女の子が、人気者になろうと四苦八苦するお話。

生まれた時からSNSが身近にある今の子どもたち。

そんな彼らの青春をポップに、そして”今しか体験できない痛み”を描いた作品です。

『エイス・グレード 世界で一番クールな私へ』監督・キャスト

■監督ボー・バーナム

これが監督初作品だそうです。監督自身も16歳でYouTuberし、今ではコメディアン・俳優として映画やドラマに出演中。

まさにSNSの申し子とも言うべき人が、この作品を作ったのは何だか感慨深い。

■キャスト

ケイラ…エルシー・フィッシャー
マーク…ジョシュ・ハミルトン
オリヴィア…エミリー・ロビンソン

 

ケイラ役の子は、6歳からキャリアをスタートし「怪盗グル―」シリーズで声優を務めているそう。

インディー映画とあり、そこまで有名俳優は起用していませんね。

 

とはいえ、映画の素晴らしさは各界から認められていて、ケヴィン・ベーコンやリース・ウィザ・スプーンといった多くの有名人たちがラブコールを送られるほど!

【エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ】のネタバレ感想

SNS世代を生きる若者たちのリアル

この作品の醍醐味は、SNS世代の彼らの青春はどのようなものなのか。

それをSNS世代ではない私たちが垣間見れることでしょう。

 

まず前提として話しておきたいのは、私はSNS世代…ではないと思います。

ググってみると、SNS世代は「生まれたときからインターネット環境にさらされている世代(概ね1980年以降に生まれた若者)」と定義されているようです。

コラム「『SNS世代』とインターネット利用」 | 中央大学

 

私の場合、SNSに初めて触れたのは高校卒業時のmixiが初めてで、大学時代にようやくTwitterに登録しています。

つまり、中高生の思春期の間にはSNSを利用していません

私のときに流行ったのは個人HPでしたね(HTMLでつくるやつ。なつかし~)。

 

ですので、見ている最中も「うんうん!分かる!」ってよりは「今の子って大変だな…」って感情が勝りました。

とはいえ、誰しもが通る青春時代の痛みを「やめてー!!!」と目を覆いたくなるほど見せつけてくれる作品でした。

 

とにかくケイラが痛すぎて痛すぎて

本当は思春期ニキビだらけなのに、加工でツルツルの肌にしたり。

本当はぽっちゃりなのに、モデルみたいに細くさせたり。

まぁここまでは分かりますよね。私もニキビ隠しのために親のファンデ塗りたくったし(笑)

 

問題はそれをSNSに投稿して、承認欲求欲を満たしていくこと。

自称YouTuberの彼女は、加工しまくった自分を通して「自分らしくいるには」とか「自信をもつのは大事!」とか、薄っぺらい自己啓発系の動画を投稿しています。

 

ただし、登録者は0人再生数も大体0回

しかも、動画内ではキラキラ女子を演じているけど、学校ではぼっち。地獄すぎるでしょ、こんなの。

 

無論、私も思い出すと「あぁあぁああ~!」となるこっぱずかしい過去が沢山ある。

ただし、それらが誰でもアクセスできるようなSNSやネット上には残してはいません。

それだけが救いです。

 

とはいえ、これがSNS世代のリアルなのでしょう。

なりたい自分も、言いたいこともSNSならできる。

それは幸せなのか、不幸なのか。私は正直分かりません。

 

そういうSNS世代のリアルを描き切った、今までにはない新たな青春ムービーでした。

 

なりたい自分になるには痛みも伴う

一番きつかったのは、リア充同級生の誕生日パーティーのくだり。

 

ケイラはスクールカーストのトップに君臨するようなリア充女子の誕生日パーティーにまぬかれます。

といっても、両親同士が知り合いなだけで、リア充女子も「仕方なく」招待しているわけで。

 

ケイラはパーティーに行く前、動画内でこんなことを語りかけます。

「本当は誘いたくなかったけど、不思議ちゃんをパーティーに誘ってみたの(自分のこと)。

そしたら、その子が凄く面白くて!あなたも勇気をもって話してみたら、けっこうおもしろい子!って分かってもらえるかもよ(自分の願望)」

 

しかし、実際パーティーに行ったら、誰もケイラを見もしないんです

「何こいつ?」的な視線を送る訳でもなく、本当空気みたいな扱いをされるんですよ。学生時代にこういう経験をしたわけでもないのに、本当に息苦しくなるシーンでした。

 

今やアプリでちょっと加工しただけで「なりたい自分」になれちゃうし、用意されたプラットフォームを使えば簡単に自己発信が出来てしまう。

こんな世の中なら、多感で不安定な思春期の子たちが「リアルな自分」と「SNS上の自分」で悩むのは当然なのかもしれません。

 

ちなみに、インスタは整形フィルターは禁止にする動きを発表しています。

www.harpersbazaar.com

 

今後はSNSは18歳以下は使用禁止!みたいな規約出てきてもおかしくないですね。

 

現実世界は、ボタン一つで簡単に理想の自分にはなれない。

理想を追うには色んな痛みや苦しみもあるし、そういう思いを経て私たちは大人になっていく。

 

ケイラも劇中で高校生の男の子に性的な目で見られ、誘いを断ったら「調子のってんじゃねーよ」的なことを言われてしまい、ひどく傷つきます。

この男がクソなのは確かですが、時にはこういう痛みを経験することだってあります。

 

大事なのは、その痛みを抱えながらも、その痛みをバネにして前に進むこと。

ケイラもある人の助けをもとに前に踏み出し、ちょっと成長します。

 

「ありのまま」を愛してくれる人は必ずいる

この物語の鍵となる人物がいます。それは、ケイラの父親です。

 

ケイラの母親は家を出ていき、父親が男手一つで育ててきたためか、ケイラに対してやや過保護ぎみなご様子。

とはいえ、思春期特有の「親父うざいんですけど!」と理不尽にキレる娘にどう接したらいいのか分からない。

 

もう世のお父さんは共感しまくりのキャラクターではないでしょうか(笑)。

 

 

この親子の描写は、女性の私としては「お父さんごめんね…」となるシーンが多々ありました(笑)。

私も思春期のころは母親とは話すけど、父親とは本当に話せなくて。

何で?って言われても分からないんですよ。でも、話したくない(笑)。

大人になってからのほうが普通に話せるし仲いいです。女性ってこういうタイプけっこういると思いますけど。

 

私も父親と二人になると、ガラケーいじりまくってたなぁ…と思いだしました。

あのときの父親も、この映画のように悲しい顔してたんだろうなぁ。本当ごめんね…。

 

そして、映画の終盤。

高校生の男の子とのトラブルでようやく目が覚めたのか、ケイラは「投稿はこれで終わりにする。私は本当はみんなにアドバイスできる立場じゃない」とyoutuber引退を宣言。

 

そして、色んな過去を断ち切り、新しいスタートをきろうとしたケイラは小学生の時に埋めたタイムカプセルを父親と焼きます

 

父親が「これ何を燃やしているの?」と聞くと、ケイラが「私の夢とか希望」と答えるシーンが笑える(笑)。

父親が何て返せばいいか迷っているあの表情がいい(笑)。

 

そしてケイラは涙ながらに「私みたいな娘いやだよね。恥ずかしいよね」と呟きます。

すると父親は焦りながらも、ケイラにやさしく語りかけます。

 

「とんでもない!パパはお前に勇気をもらっている。

お前は俺が教えてもないのに、ちゃんと育ってくれた。

パパは幸せだよ」

 

ケイラは疎ましく思っていた父を抱きしめ、二人は親子の絆を取り戻します。

このシーン、私もうるっときましたが、隣の方は号泣してましたね(笑)

見た目的には、もう既に子どもがそこそこ大きくなっていそうな方でしたが。

 

SNSでどんなに自分を着飾ろうと、それは本当の自分ではありません。

それでも、ありのままの自分を愛してくれる人は必ずいるよとこの映画では語りかけてくれるのです。

SNSの「いいね!」だけが、この世の全てじゃないよと。

 

これをYouTuber出身が言うんだから説得力ありますよね(笑)。

なおかつ、このメッセージもすごく優しさにあふれていて、よくある説教臭さもない

 

今、実際にこういう問題に悩んでいる子どもにとって、この映画はかけがえない1本になるんじゃないかな。

 

個人的には前評価ほどグッとくるものではなかったけど、今SNSにどっぷり浸かっている中高生の子その子たちの親世代にはダイレクトに響く作品だと思います。

そういった人たちの感想をぜひ見たいと思いました。

 

90分弱とコンパクトで見やすいので、お子さんたちにもオススメです!

 

 

映画を見ていて思ったどーでもいいこと

★銃を持った人が来たらどう逃げるか?的な訓練をしていてビビった。

こんなの中学校でやるなんて狂ってるでしょ。銃社会怖すぎ。

 

★みんなスマホ触りすぎw(演出かもしれないけど)卒業式の入場前にもいじるの?w

 

★高校生グループがショッピングモールのフードセンター的な場所で語り合う。

これってどこの国も一緒なのかな(笑)。

私も安いフードとドリンクで何時間もたべってたなぁ。

 

★私服で通学するので、その子の個性なりセンスがダダ漏れで辛そう。

これなら制服をアレンジしてるくらいがいいかも…。

個性を出すのと、制服を着て没個性になるのなら、どちらがいいんだろう。