【フォードvsフェラーリ】あらすじ・ネタバレ感想!車好きじゃない人も見てほしい最高のカーレース映画

フォードvsフェラーリ 個人的評価★4.3(5点満点)

(画像出典:https://www.cinematoday.jp/movie/T0024304/photo/T0024304p

 

新年1発目!「フォードvsフェラーリ」を見てきました!

予告段階では「うーん。私、車やレースに興味ないしなぁ」と思っていましたが、映画評論家の町山さんが「2019年のアメリカ映画No.1!」と絶賛していたので見に行きました(笑)。

 

結果としては…新年1発目にふさわしい素晴らしい映画でした!

今回は「フォードvsフェラーリ」のあらすじ・感想(ネタバレ有)を詳しくまとめていきます!

 

「フォードVSフェラーリ」のあらすじ

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マット・デイモンクリスチャン・ベールが初共演でダブル主演を務め、1966年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォードの男たちを描いたドラマ。

 

ル・マンでの勝利を目指すフォード・モーター社から依頼を受けた、元レーサーのカーデザイナー、キャロル・シェルビーは、常勝チームのフェラーリ社に勝つため、フェラーリを超える新しい車の開発と優秀なドライバーの獲得を必要としていた。

 

シェルビーは、破天荒なイギリス人レーサーのケン・マイルズに目をつけ、一部上層部からの反発を受けながらもマイルズをチームに引き入れる。

限られた資金と時間の中、シェルビーとマイルズは力を合わせて数々の困難を乗り越えていくが……。

引用:映画.comより(https://eiga.com/movie/90540/

 

映画内で説明があるので、レースや車の知識がなくても十分楽しめます!私もこの映画で初めて「24時間耐久レース」とかフォードやフェラーリの関係について知りました。

 

「フォードVSフェラーリ」の監督・キャスト

監督ジェームズ・マンゴールド

 

キャスト

キャロル・シェルビー …マット・デイモン

ケン・マイルズ…クリスチャン・ベール

リー・アイアコッカジョン・バーンサル

レオ・ビーブ…ジョシュ・ルーカス

 

クリスチャン・ベイルマット・デイモンと、ハリウッドを代表する俳優が共演。クリスチャン・ベイルがぶっ飛びまくってるレースシーンが最高ですw

 

ちなみに、彼は昨年公開の「バイス」で役作りのために20kg太り、今作の出演にあたり30kg痩せたそう

 

何度もこういうことを繰り返してきた彼ですが、医者からも「もう健康に悪いからやめて!」ストップされ、今後は過度な増量は減量は控えるそうです(笑)

 

「フォードVSフェラーリ」の感想(ネタバレあり)

汗が噴き出るほど迫力満点!なカーレースシーン

今作は映画タイトルからも明らかなように「カーレース」を主題としています。

正直、私自身は車もレースも全く興味がないですが、そんな私でも「すごーーー!」と興奮させてくれる映画でした。

 

何より特筆したいのは、カーレースシーンの迫力!

このご時世にも関わらずCGは極力使わず、本当にカーレースを撮影しているため、もう迫力が凄まじいです。

 

カーレースってこんなスリリングで、迫力満点なのかー!と大興奮でした。

あまりに興奮しすぎて、見ている最中に汗だくになってました(笑)。

 

youtubeに実際の撮影風景がアップされていますが、これを見ているだけでもドキドキ!このメイキング見たら、そりゃあんな迫力満点な画になるよな!と納得です。

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映画館の大スクリーンと音響がないと、この迫力は楽しめないです!ぜひ映画館で見てください!

 

泥臭く、男くさい。おしゃれさ皆無の映画

映画の舞台となるのは1960年代のアメリカ。沢山物を作ってガンガン経済をまわしていた時代ですね。

 

現代の「効率重視」といったスマートさはなく、映画全体の雰囲気も暑苦しくて泥臭く「男臭」がプンプンと漂ってきます

 画面越しからも、車のオイルや汗のにおいが伝わってくる…(笑)

 

これほどまでに女の気配がない男らしさに満ちた映画も今時珍しいんじゃないでしょうか?

 

映画では「フォードがフェラーリル・マンで勝つ!」と大きな軸をもとに、主演二人の友情・家族・そして仕事をともにする仲間たち…と様々なテーマが描かれます。

特にケンとシェルビーの友情がとにかく胸アツ。

 

お互い一般社会には馴染めない「変わり者」同士が、初めて自分の世界を共有できる人を見つけて、本当の友情を結んでいくんです。お互い偏屈なので、殴り合いの喧嘩もしますけど(笑)。

 

女の私からすると「男ってバカねー」ってスタンスで見つつ、心の奥底では「こんな関係を結べるなんていいなあ」と羨ましくなったり。

 

同じビジョンを描ける人と仕事できるって、それだけで人生は幸せだろうなと思います。

 

サラリーマンあるあるが辛い…!

車、男、アメリカンヴィンテージと男性が好きな要素がいくつもちりばめられているんですが、「サラリーマンあるある」にグッとくる人も多いと思います。

 

主人公2人は、フォード社から「フェラーリに勝つ車をつくれ!」と言われ皆で協力しながら進めていくものの、毎回邪魔するのは味方であるはずのフォード側。

 

今作ではフォード社の副社長演じるジョシュ・ルーカス「クソ野郎ー!」と言いたくなるくらい権力に服従しまくる嫌~な上司を演じていますw

 

例えば、性格は難ありだがレースの腕は確かなケンを「会見で変なこと言われると困る」と会社のメンツを保つためにル・マンのレーサーから除外。

結局そのほかのメンバーでは実力不足で、フェラーリにズタボロに負ける…という最悪の結果に。

 

本来は「フェラーリに勝つこと」が最大の目的だったはずなのに、「会社」の枠組みにとらわれ、シンプルに物事が進まないんですよね。

現場を知らない役員幹部が「上からの命令だから」の一声で現場を混乱させていくってサラリーマンなら誰しも経験あるのではないでしょうか…。

 

そういう中で時には役員たちに反発したり、結果を出して見返したり、グッとこらえたり……。

仕事をしている人なら「あー分かるよ!分かる!」となるシーンが多々ありつつ、最後は「それでも頑張ろう」と勇気をもらえる内容になっていました。

全てのサラリーマンに見てほしい…。

 

そして、みんなで協力して一つの目標に向かうって仕事の楽しさだし、醍醐味だなぁと改めて思いましたね。

 

レースに勝つためには天才的なレーサーも必要だけど、それを支えるエンジニアだって必要不可欠な訳で。

お互いに足りない部分を埋めあっていくことで、仕事は完成するんだなと改めて考えさせられました!

 

人間を突き動かすのは「狂気」なのか

この映画は友情や仕事といった普遍的なテーマもいいんですが…個人的には主人公2人の狂気じみたカーレース愛がとても興味深かったです。


レースシーンでは一人称視点となり、まるで自分がレーサーになったような気分となるのですが…これが本当に怖い!

特にル・マンレースの夜、土砂降りの雨の中走るシーンは「こんな中走るなんて…正気の沙汰とは思えない…」と思うほどの恐怖。

 

雨で全然前が見えず、急に車が目の前に現れたときは思わず「ヒっ!」と声が出ちゃいました…。そもそも24時間もレースしてる時点で、もう狂気じみてますよね(笑)。

 

私はカーレースを見たこともないし興味を持ったこともないですが、この映画を見て私には理解できないけど、レーサーだけが見れる世界があるのだなぁと知りました。

 

ケンも「俺は普通の世界じゃ生きていけないんだよ」と奥さんに言うんですが、そりゃカーレース中の興奮を何よりも楽しんでる人間が普通の仕事なんて無理だよなと納得。

 

しかし、映画のラスト。

ケンは車の試走をしていると、ブレーキがトラブルを起こし車が爆発。ケンは脱出に失敗し、帰らぬ人となってしまいました。

これは映画の脚色ではなく本当の話で、ケンは47歳の生涯を車の中で終えたのです。

 

この衝撃的なラストもまさにレース狂と言える、彼らしい幕引きだな、と。

 

私は彼と違って普通の人間ですので彼の生涯を理解できない部分はありつつも、こういう風に、その人にしか分からない狂気の世界を見れるのも映画の楽しみだなと。

 

ですので「レースなんて興味ないよ」って人も、「こういう世界でしか生きられな人もいるんだなぁ」と社会科見学のような気持ちで見ることが出来るはずです(笑)

 

思っていたよりも普遍的なテーマが沢山詰まっていて、どんな立場の人が見ても「面白い!」と思える作品でした。

これは絶対映画館で見るべき映画ですので、是非映画館でこの興奮を楽しんでくださいね!