今年の目標として「毎月2冊は本を読む」を掲げました、当ブログの管理人もっちゃんです。
上記の目標を達成&読んだ本をアウトプットし理解を深めるため、これからは毎月読んだ本を読書メモとしてブログに残していこうと決めました。
書評ではなく、あくまで「メモ」程度ですので悪しからず。
1月に読了したのは、以下の3冊でした。
- 「i」
- 「漢字の気持ち」
- 「人生がときめく片づけの魔法」
それでは、各本の読書メモをまとめていきますー。
「i」西加奈子
〜あらすじ〜
「この世界にアイは存在しません。」
入学式の翌日、数学教師は言った。
ひとりだけ、え、と声を出した。ワイルド曽田アイ。
その言葉は、アイに衝撃を与え、彼女の胸に居座り続けることになる、ある「奇跡」が起こるまでは――。
心に残った言葉
「子どものことで、私がアイに謝ることはない。
社会に対しても、不妊で悩む人に対しても、謝る必要はないと思っている。
私の決意と、みんなのからだのことは別だから。
私のからだはわたしのものだから。」
アイの親友ミナの手紙の一文から。望まない妊娠をしたミナにアイが怒り(詳しくは小説で)二人の関係はギクシャク。
そして、アイに対してのミナが出したアンサーがこれ。すごく現代的な言葉で、色んなしがらみから開放してくれる言葉だと思う。
「アイは少女ではなかった。
母の、父のあたたかさを求め続けたあの小さな少女ではなかった。でも、このあたたかさは大人になったアイには必要なものだった。どうしても必要なものだった。
かつて他人だった人、今も血の繋がりのないユウから得られるあたたかさは、やはりアイをこの世に存在させてくれた」
夫ユウとの出会いにより、アイがどんどん「i = 私」を見つけ出していく過程がとても好き。
人が人を愛する理由をとても優しく表現してくれた一文。
感想
西加奈子さんの新しい文庫本。シリア難民から裕福な夫婦の養子となった「アイ」の物語です。
彼女は「なぜ私は選ばれたのか。ほかにも苦しんでいる人がたくさんいるのに、私だけ幸せになっていいのか」と幼いころから葛藤。
世界でテロや震災が起きるたびに、帰らぬ人となった数をノートに書き「なぜ、私ではなかったのか」と悩み続けます。
世界中では今この瞬間も、あらゆる災害や争いが起き、数えきれないほどの人が帰らぬ人となっています。しかも、現代ではネットの発達により情報がすぐに手に入り、なおかつ動画や写真まで見ることが出来てしまう。
アイちゃんほどでは無いにせよ、平和に生きている自分を恥じてしまう感情は、どんな人でも何となく理解できるんじゃないでしょうか。
そういう時代に生きる私たちに「それでも、あなたは絶対生きる価値がある」と言い切ってくれたのが「i」でした。
正直ラストまでの持っていき方はやや強引ではあるものの、西さんがこれだけ力強く「あなたは生きるべき」と言い切ってくれたのが清々しい。
余談ですが、海でクライマックスを迎える、血の繋がりがない人々が心を通わせる、女性の出産など、なんとなく映画の「ROMA / ローマ」を思い出しました。
「漢字の気持ち」高橋政巳・伊東ひとみ
〜あらすじ〜
漢字は、人々の思いを背負っている。
祈りや愛情、思考や哲学、悩みや苦しみなど、人間の心のありようが凝縮されている
―古代から脈々と続く漢字の心象に魅かれた書家・刻字家高橋政巳が、語源を遡り、百余の漢字を筆書きしながら、古代の中国や日本人の心と姿を明らかにする。
「恋」と「変」はどう違う?名前の漢字の由来は?
漢字の奥深さと楽しさに溢れたユニークな漢字読本。
引用: google Books
心に残った言葉
ー「「迷」は「米」と「辶」から成り立っています。そもそも「米」というのは、米粒が俵からこぼれて散乱する様子を表しています。
そこに「道を行く」という動詞を表す「辶」が組み合わさっている「迷」は、そのこぼれた米が小粒で見えにくいことから、道がわからないことを意味します。
漢字の語源というとなんだか難しそうな気もしますが、この「迷」の情景で表現された姿はたいそうユーモラスで、真面目ゆえのおかしみが醸し出されています。
何かを決めかねて迷ってしまったら、バラバラと錯乱した米粒を思い出してください。
「迷」という字のどことなくユーモラスなそのさまは、心をふっと軽くして、きっとあなたの選択に力を貸してくれるでしょう。」
一部の文章を省略していますが、思わず読んでいてふふっと微笑んでしまった内容です。語源を紐解いていくと、今とは全く違うイメージになるから面白い。
感想
去年の夏、この本の著者である高橋先生の工房に行き、名前の漢字の成り立ちや意味について教えていただきました。
先生はもうお亡くなりになっており、今は奥様が運営しているのですが、奥様も溌溂としてとても素敵な方です。
「”名は体を表す”というけど、本当に当てはまるよね」とお話しし、漢字って面白いなぁと新しい発見を楽しめた時間でした。
この本はそういった経緯があり、偶然ブックオフで「あ!あの人の!」と見つけて即購入したもの。けっこうドラマチックな出会い(笑)
一つ一つの章が短いのでとても読みやすいし、何より文章から著者の温かみや優しさが感じられて「良い文章だなぁ」としみじみしちゃいました。するすると体内に入ってくる。
普段何気なく使っている漢字にこんな歴史や意味があったのかと驚きつつ、意味は知らなくても直感的に漢字を使い分ける日本人ってけっこう凄ない?と思ったり(笑)。
例えば「見る」「視る」「診る」など、何気なく使い分けてるよなぁと。
古代人の表現力はとっても豊かだなと感動さえ覚えてしまいました。何回も読み直したくなる、とっても楽しい1冊でした。
「人生がときめく片づけの魔法」近藤麻理恵
〜あらすじ〜
『一度片づけたら、絶対に元に戻らない』
世界の片づけの常識を変えた究極のメソッド。
アメリカでは、「KONDO」という言葉が 「片づける」という意味として使われるように なるなど、社会現象となっています。
・「一生治らないと思っていた“片づけられない病”が、 3日で克服できた!」
・「こんまりメソッドのおかげで自分のことが好きになれて、 パートナーとの仲も改善された!」
人生が劇的に変わると、世界中から感動の声が続々!!
心に残った言葉
「他人が示した基準に自動的に従っていくノウハウ型の片づけでは、たとえ一時的にきれいになったとしても、それが自分の心地よさの基準に合っていなければ、結局元に戻ってしまうのです。
人がどんな環境に囲まれていると幸せかは、その当人にしか決めることはできません。モノを持つ・選ぶという行為は、きわめて個人的な行動だからです。」
何故片づけ術を駆使しても、いつの間にかリバウンドしてしまうのか?という疑問に対する、こんまりさんの究極のアンサー。確かに〜と唸ってしまった。
感想
ネトフリを見て、こんまりメソッドを学びたくて購入。丁度、年末の大掃除に役立てようと思いまして。
ネトフリで見るよりも細かいメソッドが書かれていて、非常に参考になりました。たまに宗教じみてて怖いですが(笑)。
特に捨てるかどうか悩みがちな書類の片付け術がとても役立ちました。
「そもそも大半の書類は必要ないものなので、ほとんど捨てても構いません」という、こんまりさんの言葉を信じ、ガンガン捨ててボックス1個分処分しました。
確かに新卒時の給与明細をとっておいて何の意味があったのか…と、ようやく気がつきました…。
全体的にふわふわ~と女性らしい文章なんですが、時折こんまりさんの超冷静で論理的な思考が垣間見えて面白い。
さすが、アメリカであれだけ売れただけあるな~と妙に納得してしまった(笑)。旦那さん含めてマーケティング上手なんだろうな。
最近ちょっと批判的なニュースもありましたけどね。世界を騒がせているって意味では、本当すごい女性ですね。
1月の読書記録は以上で終了!2月も良い本に出会えますように。