「スパイダーマン・ファーフロムホーム」★3.9(5点満点)
スパイダーマン・ファーフロームホーム見てきました!MCUの集大成「アベンジャーズ・エンドゲーム」後の世界を描いた、スパイダーマンの新作。
あの大傑作「エンドゲーム」から、どう物語を展開させるのか?全世界の人々が待ち望んでいたこの映画。
早速あらすじ・感想をまとめていきます!
※アベンジャーズエンドゲームの重要なネタバレを含みます。ネタバレしたくない方は回れ右で。
「スパイダーマン・ファーフロムホーム」のあらすじ
「アベンジャーズ・エンドゲーム」の後。サノスとの戦いを終えたピーター・パーカーは、学校に再び通い始めていた。
サノスの指パッチンにより一度消滅した生徒は、その時の姿のまま復活していたものの、5年前と変わらない日常を取り戻しつつあった。
ピーターもスパイダーマンとして活躍しつつも、夏休みの修学旅行に向けて準備し、想いを寄せるMJに告白する計画をたてる。
そんな日常が戻ってきつつある中、メキシコで謎の嵐が起こる。ニック・フューリーはピーターに電話をかけるが、夏休みが楽しみなピーターは電話を無視。
しかし、旅行先のヴェネツィアで水のモンスターが現れる。モンスターと戦うピーターの前に、謎の男「ミステリオ」がピーターを助ける。
ピーターは別の星から来たというヒーロー、ミステリオと謎のモンスター「エレメンタルズ」と戦うとするが…?
「スパイダーマン・ファーフロムホーム」の監督・キャスト
■監督
■キャスト
・スパイダーマン(ピーター・パーカー)…トム・ホランド
・ミステリオ(クエンティン・ベック)…ジェイク・ギレンホール
・ニック・フューリー…サミュエル・L・ジャクソン
・ミシェル・“MJ”・ジョーンズ…ゼンデイヤ
監督は前作に続いてジョン・ワッツ。元々はホラー映画を撮っていたそうで。
サム・ライミもホラー映画監督でしたが、スパイダーマンはホラー映画と相性が良いのか??笑
キャスト陣もほぼ前作と変わらず。
ですが、今作で大注目なのは謎のスーパーヒーローを演じるジェイク・ギレンホール!!
高い演技力をもつ実力派人気俳優として有名ですね。
彼がMCUに加わると聞いたときは驚きましたが、どんな役を演じるのかワクワクしていました。
「スパイダーマン・ファーフロムホーム」のネタバレ感想
”普通の少年”になりたいピーター
舞台はエンドゲームのすぐ後。
サノスの指パッチンで消滅しなかった生徒はそのまま成長しているという設定。
つまり、学校では5年間で成長している生徒と、5年前のままの生徒がいるんですね。
いやいや、どんな設定やねん!と思いつつも、さえない生徒が5年間でイケメンに成長して、ピーターの恋敵になるという「そう来るか!」となる設定に。
あれだけ風呂敷広げた「エンドゲーム」から、うまいことミニマムにまとめています。
さて、前作「ホームカミング」はトニー・スタークに認めてもらうために積極的にヒーロー活動をするピーターでしたが、今作はその逆。
夏休みの旅行にワクワクし、なおかつ気になる女の子と距離を縮めたい!と作戦をねる「16歳の少年」でありたいと思うピーターが描かれています。
しかし、アイアンマンもキャプテン・アメリカもそーもいなくなってしまった今。人々はスパイダーマンが次期アイアンマンになることを望んでいます。
自分たちを守ってくれるヒーローがいなくなり、ピーターに期待を寄せてしまうのは仕方ないですが、彼はまだ16歳の高校生。
”信愛なる隣人”であるスパイダーマンにそんな大役を任せるのは、そりゃ荷が重い。
今作は普通の少年である自分と、スーパーヒーローである自分。
この2つの間で、ピーターが葛藤していく姿が描かれていきます。まさに、これこそスパイダーマンのメインテーマとも言える内容ですね!
そもそもピーターがスーパーヒーローとして活躍が出来たのは、トニー・スタークという頼もしい後ろ盾があったから。
でも、今の彼には何もない。自分一人で戦わなくてはならなくなってしまったのです。そんな状況下なら「アベンジャーズには入りたかったけど、世界を救うとかは無理っ!ストレンジ先生よろしく!」って思うのも無理はないかなと(笑)。
しかし彼は友人を、MJを、世界を守るために立ち上がる。
トニーのいない世界で彼はどう戦うのか。そんな苦悩と葛藤を見事に描いた作品でした。
ジェイクの演技が神
もうネタバレしてしまうと、謎の男ミステリオを演じるジェイクがヴィラン。
私はアメコミ原作知識が全くないので、まんまと騙されました!!
原作知っている人は、ミステリオがそもそもヴィランだと分かっていたそうですね。
でも、知識がなかったからこそ、酒場のあのシーンは「ええええ!!??」と見事に驚かされました。
そして、ジェイクの演技が最高すぎる!!!あんなん誰でも騙されるわ!
ついさっきまで優しくて頼れるスーパーヒーローお兄さんって顔してたのに、次のシーンでは狂気に満ちたヴィランの顔に早変わり。
本当ジェイクの演技がバケモンすぎて怖い。
前作のマイケル・キートンのあのズシリとくる重みのある演技もよかったけど、今回のヴィランであるジェイクも最高。
今作で終わらせるのが勿体ないほど、素晴らしいヴィランでした。
今回のヴィランであるミステリオはトニーに自身の技術を「BARF(ゲロ)」と言われ復讐しようと企てていたのです。「シビルウォー」に出てきた、トニーが自身の過去の記憶を映し出したあの技術です。
そして、ミステリオのもとに集まる仲間たちもそれぞれトニーに何らかの恨みを抱えているという設定。トニースターク恨まれすぎでは(笑)
彼が異世界のヒーローだということも、町に出没した不思議な敵も全てが彼が全て作り出した虚構。自作自演ってことです。しかし、人々はまんまとミステリオを「救世主だ!」と信じはじめます。
今回はこの「信じる」というのもテーマの一つです。
ピーターはトニーという大きな存在を失い、自分を見失っていました。そんなときにミステリオに優しく声かけられ、コロッと騙されてしまいます。
人間が自分が弱っているときこそ、甘い言葉を信じやすい生き物。
お金に困っている人こそ、悪徳商法に引っかかりやすいのも、自分と言う軸を見失っているから。自分に軸が無く不安定だからこそ、自分を肯定してくれる人に、信頼を寄せてしまうのです。
世界中の人がミステリオを信じたのも、アベンジャーズ無き世界でみんなの心が不安定だったからでしょう。
しかし、本当に自分を近くで見てくれている人は、案外いつでも優しい訳ではありません。
ピーターのメンター的存在であったトニー・スタークは前作「ホームカミング」では厳しい態度や言葉を投げかけました。でも、この行動はピーターのことを心から思い、信じていたからこそ。
自分を見失い「トニーに会いたいよ」と涙を浮かべるピーターに、ハッピーは語りかけます。トニーは君を信じていた、と。
この言葉でようやくピーターは「自分しかみんなを救えない!」と自信を取り戻し、みんなを救うために動きだします。
自分を信じること。
これこそがヒーローにおいて最も重要なことなのではないでしょうか。
自分を信じずに、誰かを救えるか。
トニーが託したのはあのメガネだけでなく、そういった強い心をもつことなのでしょう。
はぁぁ何て泣ける設定なんだ!!!!エンドゲームの後に、この作品って本当涙腺崩壊しまくりでした。
ピーターがハードロックをかけながらスーツ作る姿を見て、ハッピーがやさしく微笑むあのシーン。トニーはいなくなったけど、その思いを継ぐ者は必ず現れるのだなぁと。
ハッピーが「なんでもない」と呟くあのシーン、今作で一番好きなシーンです。
MCUで一番トリッキーなバトル
MCUといえば壮大なアクションシーンが醍醐味ですが、今作は過去MCU作品の中でも最もトリッキーで挑戦的な映像が繰り広げられていました。
ミステリオはSFXやヴァーチャルリアリティなどの特殊効果を使うヴィランです。
畳み掛けるように繰り出されるSFXやヴァーチャルリアリティが、めちゃくちゃ怖い!!これ小さい子見たらトラウマになるのでは…。
歴代のMCU作品の中でもトップクラスでぶっとんだ映像です。これをスパイダーマンでやるのか!と衝撃をうけました。
電車?新幹線?のシーンとか、ヒエっ!!と青ざめてしまった。ホラー映画並みの怖さ。
個人的には今までのMCU作品内でも最も楽しい映像技術でした。
ルッソ監督たちの骨太なアクションシーンも好きですが、こういうのも映画好きとしては大好物。
MJとの恋愛描写は雑
ピーターのヒーローとして葛藤は上手に描かれていましたし、青春ムービーとしても今作は上手にまとまっていました。
ただ、気になったのはMJのこと、いつそんなに好きになったの!?ってこと。
前作でちょっといい雰囲気になったような気はするけど、なんで急にそんな展開に!?とビビりました。
そんな彼女に告白するまで思いが高まってたの??
サノスと戦う中で、彼女の存在の大きさに気付いたのとか??
冒頭から「MJめっちゃ好き!」みたいな展開になっていたので、「え?何で??」となってしまいました。サノスとの戦いを経て、彼女への思いが強まったのかな(笑)。
とはいえ、ゼンデイヤとトムホのあのじれったい感じとかラストのチューとか、もう見ているこっちが気恥ずかしくなるほど甘酸っぱい!!!もう可愛い!!この展開の雑さも許せてしまう可愛さ!!
それにしても、ゼンデイヤとトムホはリアルでも交際の噂が流れていますが、真相はどうなのでしょう。お似合いすぎるので、是非つきあってほしい…。
次のヒーローはスパイダーマン??
今作はMCUファーズ3のラストの作品です。当初はこれがフェーズ4の1作目になるのかと思っていましたが、作品を見て納得。
「アイアンマン」から始まったMCUは、「スパイダーマン」という新しいヒーローにバトンを託して一度幕を閉じる構成なんですね。
ということは、次のアベンジャーズでリーダー的存在となるのはスパイダーマンなんでしょうか??
ビック3がいなくなった今、妥当と言えば妥当ですが。スパイダーマンは人気キャラですし。
でもフェーズ4からもどんどん新しいヒーローは生まれてくるでしょうし…。
うーーーん。気になる!!
最後の最後でミステリオがブチかましましたし、エンドロール後のあれは何を意味しているのでしょう。
これからもMCUには目が離せないですね。楽しみすぎるっ!