【スパイダーマン:スパイダーバース】あらすじ・感想!凄まじいクオリティで描かれた新しいスパイダーマンたち!

スパイダーマン:スパイダーバース」★4.3点(5点満点)

スパイダーマン」の実写映画を製作してきたSONYが、ここにきて新しいスパイダーマンのアニメ映画を製作。

公開されるやいなや、大手映画評価サイトでも満足度90%越えの大人気作に!

なんとあのディズニー映画をおさえて、アカデミー賞ではアニメーション賞を受賞するという快挙を成し遂げました。

今回はそんな「スパイダーマン:スパイダーバース」のあらすじ・感想をまとめていきたいと思います。

 「スパイダーマン:スパイダーバース」のあらすじ

ニューヨーク・ブルックリンに住む、黒人少年マイケル・モラレス。彼は名門中学に通っているが、あまり馴染めずにいた。

そんなある日、叔父のアーロンとグラフィティ(壁にスプレーなどで絵を書くこと)を楽しんでいたところ、クモにかまれ「スパイダーマン」の能力を得てしまう。

その力をコントロールできずにいたところ、突然時空が大きく歪むほどの事故が起きる。

時空の歪みにより、別次元のスパイダーマンがマイケルのもとに一同に会する。果たして、彼らは時空の歪みを生じさせた黒幕キングピンを倒せるのか、そして彼らは元の世界に帰れるのか…?

スパイダーマン:スパイダーバース」の監督・キャスト

■監督…ボブ・ペルシケッティ/ピーター・ラムジー/ロドニー・ロスマン

調べてみると、ほぼ3人ともこれが初監督っぽいですね。

 

■キャスト

・マイルス・モラレス(スパイダーマン

(英語版)シャメイク・ムーア(日本声優)小野賢章
・ピーター・B・パーカー(スパイダーマン

(英語版)ジェイク・ジョンソン(日本語版)宮野真守

・グウェン・ステイシー(スパイダーグウェン)

(英語版)ヘイリー・スタインフェルド(日本語版)悠木碧 etc...

 

今回は日本語吹き替え版で見ました!いわゆるタレント声優が一人もいないので、めちゃくちゃ見やすかったです。特に宮野真守が最高wめちゃくちゃ役柄と合ってましたね。

ただ、英語版の声優も豪華ですね。クリパやアリが声優している…!

 

さまざまなバース(時空)のスパイダーマン登場するのが、とても楽しい。女の子のスパイダーマン、日本アニメ風の2D風幼女スパイダーマン(マンじゃないけど)、カーテゥーン風の豚のようなスパイダーマンノワール世界のスパイダーマン

スパイダーマンだけでどんだけキャラいるんじゃ!って感じですが、それだけ愛されているキャラクターなんでしょうね。アメコミってこういう自由さがあって良いですよね。

 

スパイダーマン:スパイダーバース」の感想まとめ

こんな映像見たことない!新たなアニメ技術!

まず特筆すべきは、アニメーションの素晴らしさ!

実はこのアニメ、ただのCGアニメではなく、CG加工した映像の上から更に手書きの線を足しているんですよ。意味分からんほど手間暇かけてますよね…。
YouTubeで制作風景見れますが、気の遠くなるような作業ですよ。

何故ここまでしているかというと、彼らが目指しているのは「コミックの質感」なんですね。つまり、CGアニメで紙のコミックっぽさを演出しているということ。
アニメ映像と紙という相反するような2つの表現方法ですが、それぞれの良い部分を1つにまとめたのがこの映画です。

例えば、手書きの線を少しずらして書くことで印刷ズレを表現し、そのことにより漫画で読んでいるような臨場感を画面にもたせているんですね。

これだけCG技術が発達している中で、あえてこの表現を突き詰めているのは面白い試みですね。

あと、アニメならではのエキセントリックな配色や、アクションシーンが楽しい!実写だと撮影するのが大変なシーンも、アニメならこんなにも自由にNYを駆け回れるんですよ!(笑)

ヒーロー誕生譚として完璧

ストーリー自体は今までのスパイダーマンの物語同様「大いなる力には大いなる責任が伴う」というのが一番のテーマ。

そして、たびたび劇中で繰り返されるのが「誰でもスパイダーマンになれる」というのも大きなテーマです。

そう。今回のスパイダーマン黒人の少年です。

2018年にはMARVELの「ブラックパンサー」はall黒人キャストという挑戦をしながらも、蓋を開けたら大ヒット。アメコミ映画では異例のアカデミー賞作品賞にまでノミネートされました。

黒人でもヒーローになれるし、黒人映画でもヒットするということを証明したのです。

 

今回の「スパイダーマン:スパイダーバース」も同様に、 勇気を持って1歩踏み出せば、人種・性別・性格に関係なく、誰だってヒーローになれるという今の時代にふさわしいテーマです。

何より、単純にヒーロー誕生譚としてパーフェクトです!
急に手に入れた能力の扱いに困り、師匠となるピーター・B・パーカーから「ヒーローとは何ぞや」を教えてもらい、最終的に自らの力で成長する…という何とも分かりやすい流れです。
師弟関係により成長するという意味では、「スパイダーマン・ホームカミング」に似ていますね。この映画好きなら、今作も楽しく見れると思います。

 

そして、師匠のピーター・B・パーカーから見ると、また違った視点で映画が楽しめますね。

若さゆえの脆さと無鉄砲さ。そして、それを乗り越えて成長していく…という過程に涙がホロリ…。腐りきった大人の心に、清らかな風が吹いていくような気分になります(笑)

 

一つだけ気になった点を言えば、ピーター・B・パーカーとグウェン以外の見せ場が少ない事くらいです(笑)。6人もスパイダーマンいるので仕方ないんですけどね。


この映画はアベンジャーズみたいに皆主人公!って感じではなく、今作はマイルスのスパイダーマンの成長を描くというのがメインテーマ。なので、師弟関係になるピーター・B・パーカーとの関係はしっかり描かれますが、それ以外は超あっさりしています。
あまりにも他キャラの活躍シーンも少ないので、ちょっと物足りない感はあります。色んな世界のスパイダーマンがどんなふうに闘うのか、もっと見たかなったーと。

今を時めくHIP-HOPのスターが大集結

ストーリーやアニメの技術も素晴らしいのですが、なんといっても音楽が最高に良い!映画は主人公の趣味に合わせてか、ヒップホップやラップなどストリートミュージックが多く、めちゃくちゃテンション上がります。


オリジナルサウンドトラックが、ハチャメチャに豪華!

 

今、ヒップホップ界を牽引しているアーティストたちが、バンバン出てきます。

例えば、映画の冒頭主人公がSONY(ここ重要w)のヘッドホンから聞いているのは、人気ラッパーポストマーロンによる「Sunflower」!

www.youtube.com

主人公マイケルのように、思わず口ずさみたくなるメロディラインが印象的です。

そのほかにも、映画のトリビュートアルバムにはウィル・スミスの息子ジェイデン・スミスや、ニッキ―ミナージュなどなど今人気ラッパーやヒップホップスターが集結しています。

エンディングで使われていた、DJ Khalil の「Elevate」も大好き。サイケデリックな映像と相まって、最高にcoolに仕上がっていました。

 
ちなみに、日本語版の主題歌はTK(凛として時雨のボーカル)でした。こちらもよかったです。相変わらず甲高い声なので、何を言っていのかよく分かりませんが…w

 

スパイダーマンの新作?しかもアニメ??と、最初こそは怪訝な目で見てしまっていましたが、ふたを開けたら大傑作な1本でした。すでに今年のベスト10に入りそうなくらい好き…。
これこそ、新しいスパイダーマンの始まりではないでしょうか。続編にも期待大です!

 

そしてDVD・ブルーレイには、あの「アイシード21」や「ワンパンマン」で御馴染みの漫画家「村田雄介」先生のオリジナルポストカードが特典としてつくそうです!!

映画館で見た方が迫力があって楽しい映画ではありますが、DVDやブルーレイでじっくりと一つ一つの画面を見るのも楽しい映画です。

その卓越した技術に酔いしれてくださいな!