「キャプテンマーベル」★3.8点(5点満点)
MARVELの最新作「キャプテンマーベル」を見てきました!
あの衝撃的なラストを迎えたアベンジャーズIWのラストにて、ニックフューリーがメッセージを送った相手こそ、今作の主人公キャプテンマーベルでした。
「アベンジャーズ・エンドゲーム」にも繋がる作品でもあり、なおかつ「アベンジャーズIW」の絶望的な状況を救ってくれるヒーローなのでは?と多くのMARVELファンが作品の全貌を待ちわびていました。
そんな「キャプテンマーベル」、なんとMARVEL初の単独女性ヒーロー映画!
女性ヒーローというとDCの「ワンダーウーマン」が記憶に新しいですが、正直に言うと私は「キャプテンマーベル」の方が断然好きでした。
この差は何なのか?を考察するとともに、映画のあらすじや感想をまとめていきたいと思います。
「キャプテンマーベル」のあらすじ
舞台はアベンジャーズ結成前の1995年。ある一人の女性が、ロサンゼルスのレンタルビデオ店に上空から落ちてきた。
彼女は人間にはない驚異的な能力を持っているが、記憶喪失のため自分の出生や能力について何も知らずにいた。そして、彼女の秘密を知る者から攻撃を受ける。
何故自分は能力を持っているのか、時折フラッシュバックする記憶は何か、果たして自分は何者なのか…?
彼女の謎と、アベンジャーズの立役者ニック・フューリーとの出会いを描く。
「キャプテンマーベル」の監督・キャスト
■監督…アンナ・ボーデン/ライアン・フレック
監督は女性と男性の2名。しかも、この2人ご夫婦なんだとか。これまでも一緒に作品を作っていたよう。女性監督が視点が入ったのは、この映画にとっては素晴らしい結果となりました。
■キャスト
キャロル・ダンヴァース /キャプテン・マーベル…ブリー・ラーソン
ニック・フューリー… サミュエル・L・ジャクソン
ヨン・ロッグ…ジュード・ロウ
マリア・ランボー… ラシャーナ・リンチ etc...
キャプテン・マーベルを演じるのは、「ROOM」でアカデミー賞主演女優賞を獲ったブリー・ラーソン。
彼女は女優業だけでなく、映画制作も行っています。若き日のニック・フューリーも必見!(笑)
「キャプテンマーベル」の感想まとめ
「色恋」も「女性らしさ」もない。新しい女性像の確立。
女性ヒーロー映画と言うと、真っ先に思いつくのはDCの「ワンダーウーマン」ではないでしょうか。こちらは女性ヒーロー映画としては予想外の大ヒットとなり、低迷が続いていたDC映画に光を差し込んだともいえる一本でした。
同じ女性ヒーロー映画ということで「キャプテンマーベル」とどうしても比較されてしまう1本でもあります。
この2本を比較した際、私は圧倒的に「キャプテンマーベル」派です。
どちらも良い作品ですし、このように比べるのも本当は好ましくないですが…今回はこの差はどこから生じているのか?というのが個人的にキーポイントだったので、この点を掘り下げていこうと思います。
まず、「キャプテンマーベル」は驚くほどに色恋の描写がありません。私はこの点がとても好きです!!
ヒーロー映画において「ヒロインとの恋愛」つまり「守るべき人がいるからヒーローになれる」というのは定番のテーマですが、「キャプテンマーベル」で描かれるのは“親友との友情“がメイン。
色っぽさは皆無といっていいほど骨太なヒーローアクション映画でした。
対して、「ワンダーウーマン」のラスト。愛する男性を失った悲しみから、本当の力を解放する…という良くも悪くもありがちな展開にやや嫌気がさしてしまったのです。
結局男か~~い!と突っ込みたくなってしまったw
しかし、「キャプテンマーベル」は、”自分自身”と戦い、そして”守るべき人”のために力を発揮しています。異性愛が無くなって、人はヒーローになれるんですよ。
しかし、この展開の違いは2人の決定的なある違いによるものなのでは?と思います。
ワンダーウーマンがある種“神様のような存在(聖母的存在)”です。
ワンダーウーマンはギリシャ神話のアマゾン族(女だけの民族)がモデルと言われています。
つまり、神様的存在の女性がある「一人の男性」を愛することで「人間的な感情を得る」という描き方なんですね。
一方、キャプテンマーベルは”人間だった”のに、特殊な力により”神のような強さ”を手に入れます。そして彼女は、その力を身近にいる人ではなく、より多くの人そして地球を超えて異星人を守るために使うと決意します。
ざっくりといえば、元々が神なのか、あるいは人間なのかという違いですね。
そりゃ人間だった女性がヒーローになるという過程のほうが楽しいわな…と考えてしまいました。
女性だって強いし戦えるんだぜ!
もう1点。キャプテンマーベルの好きな点は「女性の強さ」を全面に打ち出したことです。
映画内ではジュード・ロウ演じる師が「力を制御しろ」と繰り返し言います。
これは多くの方が指摘しているように、長い歴史の中で女性がいかに抑圧されてきたかを描いているのでしょう。
古来から今現在まで、女性は「らしくあれ」と言われてきました。
女は男をたてろ、女は家にいろ、女はその仕事は無理だ……。
そのすべてを薙ぎ払うかのようにキャプテンマーベルは立ち上げります。どんなに同僚に馬鹿にされようと、何度くじけても彼女は立ち上がるのです。
ラストの立ち上がるシーン、思わず目頭が熱くなったのは私だけではないでしょう。あの姿に、どれだけ多くの人が勇気をもらったか!
実は、この作品最初は主人公を男性にする予定だったとも言われています。それでも、あえて女性主人公にし、立ちあがらせた。時代の流れにのった改編でしょう。
そして、主人公を演じるブリー・ラーソンは、プライベートでは#Metoo運動やTime's Up運動のサポートも表明しています。これらは女性の性的暴力やセクハラ被害の告発と被害撲滅の運動のこと。
彼女はプライベートでも男性優位な映画界において、女性の地位を向上しようと戦っているのです。女性だから…なんて彼女は言いません。間違っていることにはNO!と言う気高さがあるのです。
今回のキャプテンマーベルは彼女にピッタリだったんじゃないでしょうか。あとこの人、美人だけど色っぽさが無いところが良いですね(笑)
グースのインパクトがやばい
まあ色々魅力はあるんですけど、巷でも話題になったようにこの映画は「猫映画」です。
とにかくね、グースがやばい。何がやばいかは言えないけど、やばい。
映画館で「え!」って声を挙げてしまいました。
そして明かされるニック・フューリーの眼帯の謎。
そんな理由だったんか~~~い!と突っ込みを入れたくなるほどくだらないw
その秘密は是非本編で確認してくださいね。
今の時代にふさわしい女性ヒーローの誕生です。内容的には女性男性問わず、誰でも楽しめるので、是非ご覧になってみてください。